第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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いいのやら……。
「2年C組、仲足千優。今日からよろしくお願いします」
クラスと名前を、大きな声でハッキリと発音し、頭を下げる。
「よろしくー」
「おう、よろしくー」
「よろしくお願いします」
といった挨拶返しと共に拍手が響く。
「では、新入りの挨拶も終わったし、飯にするか!」
終わるの早っ!
生徒会顧問の先生の一声で役員たちは各々、自分の昼食を取り出して食べ始める。なんだろう、結構拍子抜けしたな……。
「隣空いてるぞ」
入口周辺の席から拓人が、自分の隣の席を指しながらジャンボメロンパンを食っている。
「おう、邪魔するぜ」
拓人の隣の席に座り、弁当箱の蓋を開ける。
割り箸を割って手を合わせて一言。
「いただきます!」
限定弁当を食いながら、他の役員達を観察する。
夏海は同じクラスの女子や仲のいい先輩と談笑しつつ、買ってきた弁当を食べている。
拓人は至って普通に……と思ったのだが、片手に図書室から借りてきたラノベが。
読書しながら飯食ってんじゃねーよ、と注意して止めさせた。
この2人は先日の事件には居なかった。
俺が一番気にしているのは、あの事件に関わっていた役員たち、生徒会役員12人中9人だ。
その中で夏海と喋っている2人を除く7人全員が……慧理那をガン見してるじゃねえか。
いや、よく見ると副会長の野村はさり気なくチラ見している程度……多分注意して見なければ気付かなかっただろう。
こりゃ巣窟化してるって話は誇張じゃ無さそうだ。
そしてその慧理那は……おいおい、あんまり箸が進んでいないじゃないか。
1日3食はちゃんと充分に食べなきゃダメだろう!って視線を送ってみたところ丁度目が合った。
今度は逸らすまい!と視線を送り続ける……多分向こうは逸らすだろうと見越して。
その予想通り、目が合っているのに気付くや否や素早く弁当箱で顔を隠し、誤魔化すようにがっつき始めるのであった。計画通り!
……そして慧理那の表情の変化に気付き、視線の先にいた俺を睨み付けてくるやつが何人かいたので、そいつらと目が合う前に顔を逸らす。
目と目が合ったらバトルって、こうゆう時怖いねぇ……ポケモントレーナーならまだしも、リアルファイトはホント勘弁な!!
ここで丁度食い終わった。ご馳走様。
「千優、副会長は厳しいから、気をつけろよ?」
「お、おう……具体的に言うとどのくらい厳しいんだ?」
「そもそもあの人自身が、成績優秀で規則正しい生活送ってるから、まさに生徒の模範とも言えるんだよなぁ。遅刻、病欠一切無し。こういっちゃなんだけど、粗探ししてでも欠点見
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