第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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はそれが特に目立っているのだが……」
全然気づかなかったんですがそれは……って、顔を合わせないようにしていたんだから当然か。
「そのことと今さっきの質問に、何の関係が……」
「察しのいいお前なら、とっくに理解していると思うのだが?」
含みのある表情でクスッと笑う尊さん。
……まったく。悔しいけどお見通しらしい。
繋がった。脳細胞がトップギアだ。
「今、お嬢様は緊張しておられる。原因はお前だが、逆にお前ならそれを解決できるのでは、とも思っているのだが?」
「いや、そう言われても……」
流石に俺でも緊張を解くことまでは……しかも下手すりゃ余計に緊張させてしまうぞ!?
「言っておくが、これはお前を試すものでもあるんだぞ?」
「俺を試す?」
「二人とも何を話しているです?生徒会室……そろそろ目の前ですわよ?」
おっと、もうそんなところまで……。
「では、自己紹介の後は適当に、空いている席へ座ってください」
いそいそと、生徒会室へと入って行ってしまう慧理那。
おそらく、他の生徒会役員たちはもう集合しているのだろう。
「仲足、後はお前次第だぞ」
それだけ言うと、尊さんも続いて生徒会室へ。
俺次第、か。
そういや生徒会は慧理那ファンの巣窟だったっけ。
少し気が重い、がまあ、何とかなるだろう。
「遅い。もう集合時間だぞ?」
入った瞬間、生徒会室の真ん中に置かれたのテーブル奥。ホワイトボードの手前の席に座る男子生徒が放った一言がそれだった。
えっと……誰?
「野村副会長、仲足さんは今日来たばかりです。大目に見てあげてください」
「しかし、時間は厳守するべきだと……」
「それなら、わたくしも同じ事です。仲足さんと同じ時間に来たのですから」
なるほど、生徒会副会長らしい。
時間とか規律に厳しいタイプと見た。
「そうだよ副会長。会長だけ依怙贔屓するのもどうかと思うよ」
「それに時間ジャストだし、遅刻には含まれないだろ?」
とっくに着席していた夏海と拓斗が反論する。
「し、仕方ない……今回は許す。次からは遅刻しないように」
「ど、どうも……」
こりゃあ、初回から印象悪くなったかな……。
これは仕事の途中にエレメリアン出た時に抜けるのが大変かもな……後で慧理那に相談だな。
そんな事を考えながら、買った弁当をテーブルに置き、ホワイトボードの前に立つ。
「で、では自己紹介を……」
俺が視界に入らないようにか、顔を不自然にならない程度ギリギリまで逸らしている慧理那。
あー、どうすりゃ
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