第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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も捗るだろうさ」
上位個体……いや、そんな小さなレベルのものではない。
他のジェラシェードとは全く異なるサイズ、そして溢れ出す気迫は、明らかに彼らの頂点に立つものだ。
「シ、シカシ、人間ヲドウヤッテ我々ニ引キ入レレバ?」
「なに、簡単な事だ。目星はもう付いている……誰か迎えに行ってやるといい」
「デハ、僭越ナガラコノ私ガ」
1体のジェラシェードが時空を開き、虚空へ消える。
ジェラシェードの新たな計画が、幕を開こうとしていた。
□□□□
放課後 生徒会室
「失礼します」
ランチミーティングの解散時、俺は野村副会長に呼び止められていた。
なんでも放課後、ちょっと話があるんだとか。
初日から呼び出しくらうとかかなり不安なんだけど……まあ、行くだけ行ってみるかと生徒会室へと足を運んだわけだ。
役員たちは下校してしまったらしく、生徒会室には自分の椅子に座る副会長と俺だけしか来ていなかった。
「それで、話って?」
「呼び出された理由が分からないのかい?」
「いや、昼間の遅刻くらいしか思い当たる節が……」
神経質な性格みたいだし、他の皆が許しても、生徒会副会長のプライドが許さないんだろうか?
なら、今後遅刻しないように、五分前には入室する事を心がけるべきだろう。
「いや、それはもう水に流そうと思う。会長や他の皆の言い分はもっともだからね」
よかった。融通は効く方らしい。
しかし、それなら何故俺を?
「ちょっと、君に折りいって頼みがあってね」
「俺に頼み?」
なんだろう?
「私も、弟子入りさせてくれないだろうかい?」
「……え?」
うん、予想外。副会長から弟子入りを志願されるとは思ってもみなかった。
「君と会長の楽しそうな様子を見ていると、なんだか私も加わりたくなってね……だから、私も学んでみようかと思ったのさ」
「……なるほど。でも副会長、日頃から日曜朝は何時に起きる?」
「平日と土曜日は朝六時起き、日曜日はゆっくりしたいから八時を少し過ぎる頃に起きる生活習慣だけど、それがなにか?」
……この答えは……。
「じゃあダメだね」
「……え?」
「今の答えはいつ頃からの生活習慣?」
「む、昔からだけど?」
よし、確定したな。
「つまり、ニチアサを一度も見たことが無いんですね」
「ニチアサ?」
「日曜朝7時半から8時半までの1時間。俗に言うスーパーヒーロータイム。特撮好きならこの時間を知らない者はいない」
「なっ……」
「俺が弟子に取るのは、本当に、心の底からヒーローを愛してい
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