第8話「赤・蟹・襲・来」
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抑えたまま、遅れながら去っていった。
やれやれ、道場に通ってなかったらもっと穏便に済ませようとしたかもしれないんだけどな。
あと、ハッタリだったんで、本当に3手で決められるのかは俺にも分からないが。
「さて……」
落ち着いたところで慧理那と尊さんへ視線を向ける。
「おはよう慧理那、大丈夫だった?」
「……は、はい!」
驚きの表情でこちらを見つめる慧理那。
今日の服装は制服じゃなくて私服か。見慣れていないからか、
「怪我してないか?痛くないか?変な所触られたりしてないか?」
「千優さん落ち着いて!わたくしは無事ですから」
「タイミングが狙ったように絶妙で、お嬢様は無事に済んだぞ。まったく、護衛の私の仕事が無いじゃないか」
ちょっと不満そうな表情をする尊さん。
「すみません……身体が先に動いてまして、つい……」
「いや、それは悪い事じゃない。寧ろ賞賛に値するくらいだぞ。お嬢様の身辺警護にお前を誘いたくなってるくらいだからな」
「困っている人を見かけたら、迷わず助ける……流石、わたくしの師匠です。ヒーローの鏡ですよ!」
弟子にも絶賛されて、悪い気はしない。
周囲の見ているだけだった客も拍手している。
「ところで千優さん、その服装は……」
「ん?これか?」
俺が今着ている私服は青地に袖から脇に白の入ったTシャツ、その上から赤の袖無しジャンパー、ベージュ色のジーンズに黒のスニーカーだ。
「ヒロイックな色で揃えたファッションですわね!」
「ご名答!いやぁ、ツインテイルズカラーだって、これ見たクラスメイトによく言われるんだよなぁ」
「た、確かにツインテイルズのイメージカラーは全て揃っていますが、だからといってツインテイルズだけの色と括ってしまうのは違うと思います」
「だよね!アクセントに黄色を入れれば完璧に戦隊カラーなんだけど……ツインテイルズファッションなんて名付けて広めたの誰だよ……」
陽月学園では、ツインテイルズ登場以来彼女らのグッズ(殆どレッド、次にドラゴンだが、最近ブルーも増えつつある)を身に付けている生徒が増えている。
校則で禁じられているものは流石に控えているが、それでも彼女らへの憧れを示したい者達は、それぞれの推しの色をしたペンや消しゴム等を使っているとか。
キャラTとかもっと痛いものを着用しているやつもいるとかいないとか……。
そんな生徒たちには、今の俺の私服はどうしてもツインテイルズてんこもり衣装に見えるようで、この前出かけた先で会ったクラスメイトが広めちまって以来、赤、青、黒、アクセントに白の服を着た人をよく見かけるようになった。
「流行の最先端を作れた
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