第8話「赤・蟹・襲・来」
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優のペダルを漕ぐ足に力が篭った。
『千優、お前まさか!』
「突っ込む。取り敢えずまずはあそこへ突っ込む!!」
俺が止める暇ももなく、シャカリキして行ってしまった。
急いで基地のモニターへアクセスすると、総二、愛香、トゥアールに未春さんも、モニター前のテーブルに座り話し込んでいた。
『お楽しみ中の所悪いが、ちょっと見てくれ!!』
□□□□
「あれは、千優さえぇぇ!?」
マウンテンバイクを全速力で
「ん?っうおぉ!?」
慧理那とピアスのチンピラの間へ向けて疾走はしらせ、
「やっと来たか」
尊さんがグラサン野郎の手を振りほどき、慧理那を連れて距離をとった所にブレーキを握りつつハンドルをきる。
キキィッ、と地面にタイヤの跡を残してマウンテンバイクは急停止した。
そのままスタンドを立て停車させる。
「て、テメェ危ないだろうが!!」
ネックレスの男が叫ぶ。我ながら危ないのは理解してるさ。
「いやー、友達がいかにもな人たちに囲まれてたもんだから、つい通常の三倍速になってしまったな」
「んなこたぁどうだっていいんだよ!人様にぶつかりそうになっといて謝罪もなしかぁ?」
グラサンの男が怒りを滲ませた表情で叫んでる……こっちはそれどころじゃないんだよ。
「白昼堂々、女の子に絡んで迷惑かけてるおっさん達に謝罪がどうとか言われる筋合いはないね」
「んだとゴルァ!喧嘩売ってんのか!!」
ピアスの男が近付いてくる。
恐らくこの後襟元をを掴みあげて脅しに来るんだろう。
「大人に口聞く時は、敬語を使えって教わらなかったのか?ああ?」
予想通り、左手で襟元を掴んできた。
なら、次に何をするかも予測済みだ。
「じゃあ、敬語を使ってもらえる大人になるべきかと」
その直後、右から拳が来る。
その瞬間、両足を地面から浮かせて上げ、下半身に体重を集中させて男のバランスを崩させる事で、それを躱す。
「なッ!?」
そして右脚で思いっきり蹴り上げると、見事に男の股間にクリティカルヒット!会心の一発だった。
「い"っ"でぇぇぇぇぇ!!」
ピアスの男は襟を掴んでいた手を離し、股間を抑えてのたうち回る。
「「な!?」」
驚いているグラサンとネックレスの男に向けて、俺は3本指を立てた右手を向ける。
「喧嘩するなら別にいいが……おっさん達、3手で詰むよ?」
……その後、時が止まったような沈黙が10秒くらい続いた。
「……お、覚えていやがれ!!」
その後、チンピラ達は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
ピアスの男は股間を
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