第8話「赤・蟹・襲・来」
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た通り、店の入口の前で待っていた。
今日は休みなので、いつもの制服姿ではなく、黒Tシャツに膝下までの丈のブラウンのスカートだ。
「あの……お嬢様、流石に約束の一時間前から指定場所で待っているのもどうかと思うのですが……」
「そうですわね……早すぎるに越した事は無いと思ったのですが……」
既に開店を待ち、駐車場の車や店の前のベンチで時間を潰している客もいる。
約束した時間まで残りあと10分、そろそろ開店である。
「おい嬢ちゃん」
急に声をかけられ、声の方向を向くとそこには、如何にもワルといった格好をした男が三人立っていた。
声の主はリーダーらしい、グラサンの男だった。
「わたくしの事ですか?」
「それ以外に誰がいるよ。って、そこのメイドさんもか」
「お前達、お嬢様に何か用でも?」
少しイラッと来たが抑えて応える尊。
「いやよォ、見た所ヒマそうだし、俺らとどっか行かない?」
隣の首からジャラジャラネックレスを下げた男が続く。
「いえ、わたくし人を待っておりますので」
「そう硬いこと言わないでさ、ちょっとだけでいいからさ?ねぇ?」
ピアスの男が慧理那の腕を掴む。
「は、離してください!!」
「貴様らいい加減に……」
流石にここまで無礼な男は尊も好ましくない。 ピアスの男を慧理那から引き剥がそうとした尊だったが……。
「当然、メイドさんもご一緒でな」
尊の肩にもサングラス男の手が置かれる。
周りを見回すが、開店待ちの客たちは車内で待っている者が多く、外にいる者もチンピラ怖さに見て見ぬ振りをしているようだ。
(三人まとめて捻り上げてやるか……)
尊が背後から肩を掴んでいる男に肘鉄を食らわせてやろうとしたその時、待ち人は丁度視界に映り込んで来た。
□□□□
待ち合わせの店が目前に迫る。
そろそろ減速して、マウンテンバイクを駐輪場に置くだろう。
『慧理那会長は既に到着済みみたいだぞ?』
「早いな。開店前から目的地で待機するとは、流石慧理那おれのでしだ」
いや千優、それは違うと思うんだが?
とは思ったが口には出さない。
俺が言っちまっても、芸がないからな。
「ん?あれは……」
千優が何か見つけたようだ。
『どうした?』
「店の前で誰かチンピラに絡まれてる」
『どれどれ?』
直ぐにトゥアールの衛星に接続し、カメラを店の前にズームアップする。
状況は一瞬で理解出来た。
『千優、そのチンピラに絡まれてるの、慧理那会長と桜川尊だ!!』
「なんだと!?」
その瞬間、千
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