第8話「赤・蟹・襲・来」
[16/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
零す慧理那。
「……よかった。笑顔になれるなら、俺が心配する必要はなさそうだな」
つい、いつもレッドやブルーにやっている所為か、つい慧理那の頭を撫でてしまう。
「あ……」
「……あ、つい。すまない」
慌てて手を放し、頭を下げる。
「じゃあ、もう行かないと!」
そそくさとレッド達の方へ立ち去ろうとする俺に、背後から慧理那の声が届く。
「あの!……また、会えますよね?」
……一瞬答え方に迷ったが、その言葉は俺ではなく、俺テイルドラゴンに向けられたものだ。
またすぐに会えるさ、とは流石に答えにくいし、その答えだと考えすぎかもしれないが、後で合流したときに周囲に怪しまれる可能性もあるんだよなあ……。
「そうだな……」
と、迷っていたらテイルレッドが俺の隣に来て、慧理那にこう言った。
「貴女がツインテールを愛する限り、俺たちはいつだって助けに来ます」
「ツインテールへの……愛……」
総二め、いいところ取って行きやがって……まあ、ツインテイルズのリーダーはテイルレッドだし、仕方ないけどな。
立ち去りながら、たまには俺にも言わせろよと頭をワシャワシャする。
しかし……一瞬、慧理那の表情が曇ったような気がするのは気のせいだろうか?
□□□□
正午 観束家地下秘密基地
「……で、あの後どうなったの?」
基地のディスプレイにヒーローCの顔が表示されている。
クラブギルディを倒した後、俺達は基地へ帰還したが、ヒロ兄はサラマンダーで俺たちを送った後、転送ペンで店に戻っていったのだ。
『どうやらそのまま別れるらしい』
「やっぱり、これ以上の外出は危険だと判断されたんでしょうね」
「残念ね……面白そうだと思ったのに」
ん?面白そう?トゥアールはともかく、愛香がそんなことを言うなんて……。
「愛香、面白そうって?」
「この前の戦いあるでしょ?ほら、あの忌々しい牛野郎の」
「バッファローギルディか。それがどうかしたのか?」
「あの時は色々ありすぎて忘れていたけどさ……私のためとは言えヒロ兄、私の悩みを大々的に叫んじゃったのよね……」
そういえば、テイルブルーは胸が小さいことを気にしてるからそれを指摘するな、的なことを叫んでいたような……。
「だからさ……仕返しに、会長とのショッピングをデートだって、おちょくりたかったのよ」
「私は、本日2回目のヒーローアライブ辺りでからかう気が引いてきましたね……いえ、弄らないとはいってませんが」
『トゥアールは後で千優に報告な』
「ひぃぃぃぃぃ!!ご勘弁を!ご勘弁をぉぉぉぉぉ!!」
ヒーロー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ