暁 〜小説投稿サイト〜
俺、リア充を守ります。
第8話「赤・蟹・襲・来」
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っ!?」

 どうやら命中したようだ。

 腹部の甲羅のサイドにあるわずかな隙間……黒い関節部にドラゴホーンの切っ先が突き刺さっている。

「こ……この程度の浅い傷、苦にもならんわ!!」

「いや、お前の動きはここで封じる!!」

 ドラゴホーンRを突き刺したまま、右手でバックルのボタンを三回連打する。

『BUバ・BUバ・BUバ・BURSTバースト!!』

 ドラゴホーンRを掴みなおすと、熱エネルギーが両腕を伝い、ドラゴホーンの刀身に満ちていく。

「熱!熱!熱いッ!?貴様何を!!」

「はあッ!!」

 突き刺したドラゴホーンを交互に、×印に甲羅を引き裂きながら引き抜く。

 引き抜かれた瞬間、その切り口は爆発した。

「ごはああああ!?こ、これでは茹で蟹どころか焼き蟹になってしまうぅぅぅぅ!!」

「その熱さ、休日を邪魔された怒りだと知れ!!」

 説明しよう。

 これは昨日の戦いで発見された新機能、「感情エネルギー変換」だ。

 ギア装着者の感情が昂ったときに発動するらしい。

 その感情に合わせて、攻撃に属性力エレメーラではなく属性エレメントを付与する機能だ。

 今のは「怒り」をトリガーにした炎属性付与。

 その名もシンプルに「イカリバースト」

 打撃や斬撃に怒りの炎を宿し、焼き尽くしたり爆発させたりする能力だ。

「今だレッド!!」

「オーラピラー!!」

 怒りの炎より鮮やかに輝く火柱がクラブギルディを包み込む。

「完全開放ブレイクレリーズ!グランドブレイザー!!」

 爆裂する炎刃、その一太刀はクラブギルディを見事に捌き斬った。

「もっとうなじが見たかったぁぁぁぁぁ!!」

 そして、案の定最期まで世迷言を吐き散っていったクラブギルディに、ツインテールを引き立たせようとする姿勢は立派だと思ったぞ、と手を合わせるレッドを見守り、項属性ネープの属性玉を回収した。

 そして周りを見回すと、丁度アルティロイドは全滅し、ブルーが属性変換エレメリーションを解除していた。

 そして目の前で行われていた激戦への賞賛に、拍手を贈る慧理那の姿があった。

「危なかったな。大丈夫か?」

 慧理那には俺の正体はバレている……おそらくレッドやブルーの正体も薄々感づいているだろうが、他の客に気付かれないよう、他人を装った言葉をかける。

 まあ、本日二度目になるが。

「は、はい……あの、ありがとうございます!」

「偶然ここで休日を満喫していたら、たまたまここに奴らが君を襲っているところに出くわしただけさ」

「偶然……ですか」

 我ながらあまりにも無理やり感のある言い訳が可笑しかったのか、クスッと笑みを
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