暁 〜小説投稿サイト〜
俺、リア充を守ります。
第8話「赤・蟹・襲・来」
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「お前、仮に使えたとしても、今まで名目通りの効果だったことあるか?兎耳属性ラビットだってウサ耳が生えてくるわけじゃなかっただろ」

「それでも……それでもおぉぉぉぉ!!」

 おいおいと泣き始める愛香。

 トゥアールも知らなかったことらしいのだが、実は、倒したエレメリアンの属性玉エレメーラオーブ全てが、テイルギアで使えるものではないのだ。

 属性玉には純度、があるらしい。

 例えば、愛香が初めて倒したフォクスギルディ。

 奴を構成しているコアである髪紐属性リボンの他に、少しながら人形属性ドールも備えていた。

 人間の属性力エレメーラ、趣味嗜好が一つだけではないように、エレメリアンも生きていればそれだけの時間と共にいくつかの属性力エレメーラを備えてしまう。

 そして、後から得た属性力が大きくなればなるほど、コアである本来の属性力エレメーラの純度を下げてしまうんだとか。

 俺たち人間では起こり得ないが、属性力エレメーラそのものであるエレメリアンにとっては、属性力同士が干渉してしまう。

 それがトゥアールの結論だった。

「そうだ、トゥアールちゃん。ドラグギルディを倒して手に入れたツインテール属性の属性玉エレメーラオーブで、テイルギアをパワーアップとかできないの?」

「ツインテール属性を属性力変換機構エレメリーションするのは暴走の危険性がありますので、使えないようセーフティをかけているんです、お義母様」

「二倍に掛け合わせるってお約束だと思ったけど、いろいろと難しいのねー」

「発動できたとして髪の房が四つになったらツインテールじゃなくなっちまうぞ……って母さん何で当たり前のように交ざってんだよ!!」

 最早当たり前のように、日課として基地に入浸っている母さん、店の方は大丈夫かと心配になってくるぞ……。

 ああ、屋上から狙撃されたように頭が痛い……。

「まあまあ総二様。戦う者だけでは視野が狭くなりがちです。こうして日常の象徴であるお義母様のご意見を賜ることで、思いがけない閃きがあるかもしれません」

「どこが日常の象徴なんだよドップリこっち側に浸かってるじゃねーか!!」

 なんでトゥアールまで一緒になって俺をなだめようとするんだよ……。

 俺は深く溜息をつき、一言呟く。

「……関係ない母さんを、あまり巻き込みたくないんだよ……」

 言い訳半分でもあるが……これは紛れもない本心だった。

「関係あるわ……お腹を痛めて産んだ我が子が世界を守るヒーローなんですもの」

 自作っぽいやたらクオリティの高い女幹部コスチュームを身に纏って、清らかな微笑みを浮かべている母さん。

「その世界を守るヒーローが鼻からスイカ出すぐらいの痛みを胃
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