第7話「新たな刺客」
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朝、起きて朝飯を食い終わって着替えている時、ヒーローフォンに着信が来た。
番号は慧理那からのもので電話に出ると、今日の全校朝会のことについてであった……が、次の一言で俺は驚きのあまり、ヒーローフォンを落としてしまうところだった。
『昨日の……わたくしが事件に巻き込まれた話をさせていただいてもよろしいでしょうか?』
「は……はあ!?」
昨日あんな目に遭ったというのに、その体験を全校朝会の話に使いたいと言い出すとは……。
『もちろん、千優さんの正体は伏せさせていただきます。何か問題があれば言ってください』
「……ひとつ聞かせてもらおう。なにゆえ昨日の事を?」
一番の、そして唯一の疑問点だ。話すのは別に構わないが、わざわざ全校朝会で大々的に話そうと思ったのか、理由が気になる。
『昨日……わたくしはいろんなことを知り、学ぶことができました。それを他の生徒の皆さんにも伝え、広めたいのですわ!!』
「……そうか……」
あんな恐ろしい体験でも、慧理那にとってはとても貴重な体験だったのだろう。
そこから学んだものがあるのなら、是非とも広めてもらいたい。
「いいよ。そのかわり、総二と愛香の名前は伏せてもらってもいいかな?他の生徒たちにもみくちゃにされるかもしれないしさ……」
『わかりました!!あと、よろしければあの黒い霧、ジェラシェード……でしたわよね?』
「ああ、あってるよ」
『奴らのことも、詳しく教えてください!!』
「わかった。説明できる範囲で説明するよ」
こうして着替え終わった後、数分ほど説明が続き、質問が終わる頃には登校時間になっていた。
『ありがとうございます!!それではまた、学校で』
「おう!楽しみにしてるぞ」
通話を終え、鞄を持ち、財布とヒーローフォンをポケットに仕舞って玄関へ。
玄関まで降りていくと弟が靴を履いて出ていくところだった。
「随分長い電話だったね」
「ちょっと色々あってな……」
こっちも靴を履き、準備が終わる。
「友達?」
「まあな」
「特撮仲間とか?」
「ご名答。なんで分かった?」
「会話の内容から」
「え!?……あ、うん」
危ない危ない……どうやら聞かれていたようだ。
幸い特撮トークだと思われているらしい……。
今後気をつけなければ。
「いってらっしゃい」
「遅刻するなよ?」
リビングから両親の声が聞こえる。
「「いってきます!!」」
玄関を出て通学路に向かうと、登校中の総二、愛香、トゥアールの3人と合流したので、5人でたわいもない会話をしながら、学校へ向かった。
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