第7話「新たな刺客」
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た場所も尋ねる。
「ドラグギルディ様のお部屋に、何か御用が……?」
恐る恐る聞くスワンギルディに、リヴァイアギルディは大声で笑い答えた。
「ははははははは!なあに、負け犬の面影でも見て戦いくさの前に大笑いでもしておこうと思ってな!!」
スワンギルディは幽鬼のようによろめきながらリヴァイアギルディに歩み寄ると、その節くれ立った肩をがっしりと掴んだ。
「……どうか今の言葉、お取り消しを」
「何故だ?」
「よ、よさんか、スワンギルディ!」
スパロウギルディの制止も聞かず、スワンギルディは憤怒を面にみなぎらせて上官を睨みつけた。
「ドラグギルディ様は、立派に戦われ、昇天なさいました。敗れたとはいえ、まこと見事な──―」
「慎め、若造が!!」
スワンギルディはリヴァイアギルディが一瞬にして解き振るった、股間の巨大な触手の一振りで吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
先程、クラーケギルディと一合交えた際に放った、彼の最強の武器だ。
「ぐうっ!」
「貴様も戦士なら、いつまでも敗将になどこだわらず、剣の一本でも振っていろ!!負け犬の後を継いで後を追いたいというのなら、話は別だがな!!」
股間の触手を胴に巻き付けて仕舞い、スワンギルディを傲然と見下ろしたリヴァイアギルディは、そのまま案内のあった方向へと歩いて行った。
「うぅ……私が弱いばかりに亡きドラグギルディ様にあのような辱めを……」
自分の傷より、ドラグギルディへの侮辱に深く傷つくスワンギルディを抱き起しながら、スパロウギルディは、ゆっくりと首を横に振る。
「そうではない…………リヴァイアギルディ様を見よ」
去りゆくリヴァイアギルディを憎々しげに見るスワンギルディだが、すぐにその表情からは険が解けていった。
リヴァイアギルディの股間の触手は、彼の身体を引きちぎらんばかりに張り詰め、震えていた。
顔で怒って、股間で泣いて……武骨な戦士の悲しみの在りようを目の当たりにし、スワンギルディは言葉を失う。
「リヴァイアギルディ様は、ドラグギルディ様の旧知の友……悲しくないはずがあるまいよ。力が強いだけでは一部隊を率いることはできぬ。ただ、あのお方もまた、自分に厳しきだけよ」
スワンギルディは、また自分の未熟さに打ちひしがれ、首を垂れることになったのだ。
しかし……ここで終わる男ではなかった。
「剣の一本でも振れ……確かに、その通りです」
スワンギルディは意を決したように立ち上がると、スパロウギルディに頭を下げた。
「スパロウギルディ殿……あなたならご存知でしょう。ドラグギルディ様が成し遂げられたという、伝説の試練への挑み方を。どうか、この私にご
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