第7話「新たな刺客」
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下を従え、それぞれ「貧乳」と「巨乳」のプラカードや横断幕を振り上げつつ、今にも戦闘を始めんばかりに威嚇しあっていた。
最悪の事態を避けるために、火中に飛び込む心境で二人の前に進み出るスパロウギルディ。
「クラーケギルディ様にリヴァイアギルディ様……お、お二人がこの世界に来てくださるとは光栄です」
「首領様の命令は絶対だ。どうも強敵打倒の増援にかこつけて、どこぞの能無し部隊の引き受けまで任されたようだが、まあ、やり遂げて見せようさ」
スパロウギルディの敬礼に軽い手振りで答えるも、リヴァイアギルディは露骨に不機嫌を滲ませた口調で言う。
明らかな挑発に、クラーケギルディも憤然と言い返す。
「言ってくれるな。それはこちらの台詞よ。侵攻する世界で何度も情けをかけ、属性力エレメーラの完全奪取を遂行せず見逃した半端者が」
「お前こそ、時代錯誤な騎士かぶれが一段と増したようだな。何だ、そんな揃いのマントなど部下に羽織らせおって」
「お言葉ですがリヴァイアギルディ様!このマントは我々が──」
反論しようとする部下を挙手で諫め、クラーケギルディはぎろりとリヴァイアギルディを見据えた。
「ともかくだ。私の部下たちが妙な影響を受けぬよう、出しゃばりは慎んでもらおう。巨乳属性ラージバストなどと、下品な属性を吹聴する貴様にはな!!」
「何を!」
今度は、リヴァイアギルディが、いきり立つ自分の部下を諫める番だった。
「時代を読めぬ骨董品めが。ツインテールには貧乳が似合うなどと、原始時代のような思い込みに縛られる貴様こそ、憐れよ!!」
睨み合う二体……そして二体は同時に目を見開き──
「巨キョォォォ!!」
「貧ヒンッッッ!!」
裂帛の叫びに続き、耳をつんざくような破裂音が大気を震わせる。
その場の誰もが、二体がどんな攻防を繰り広げたのか目にとらえることはできなかった。
やがて、リヴァイアギルディは股間の触手を身体に巻き付けなおし、一方のクラーケギルディは背中から生えた触手を縮めて身体に格納した。おそらく、それらが激突したのだろう。
「…………まあよい。部隊も大きくなれば、今の基地では足りなかろう。私たちの母艦きちも合わせねばならん。合体作業が済み次第、噂のツインテイルズとやらの記録を見せてもらう」
「は……はっ!」
スパロウギルディが答えると、クラーケギルディは部下たちと共に、ドッキングしたブリッジを渡って自分たちの移動艇へと一旦戻っていった。
「よし、お前たちも戻れ。俺は少し野暮用がある」
部下たちにそう言い渡したリヴァイアギルディは、スパロウギルディに基地全体の構造について聞く。
その最中、ドラグギルディの部屋だっ
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