第7話「新たな刺客」
[2/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
□
私立陽月学園 体育館
体育館に学年別に並び、生徒達のざわつきを聞きながら、全校朝会が始まるのを待つ。
総二たちとは立っている場所が離れているが、ここからでもあいつらの姿はよく見える。
昨日、野次馬を現場から遠ざけるべく、トゥアールがフォトンサングラスからの映像を全国に流したらしい。
今、ざわついている生徒達の話題はまさにその件についてだ。
つまり俺の戦いは、フォトンサングラスが破壊される直前まで全国生中継されていた、とゆうことになる。
実際、この生中継で第三倉庫に来ようとしていた一般人は皆、画面に釘付けとなり、第三倉庫に野次馬が到着したのは俺達が去った後なんだとか。
全身打撲痕と擦り傷だらけだった俺に比べて、トゥアールは背中に湿布を貼っておくだけで全開した。
しかしかなり痛みがあったらしい。礼を言っておいたが「皆さんが無事なら、私はそれで十分です」と返された。
根はいいやつなんだけどな……。総二に夜這いを仕掛けたり何かにつけて話をそっち系に持ってこうとする癖をどうにかしてもらいたいもんだ……。
なんて考えているうちに生徒会役員の一人がマイクを持つ。
「生徒会長からのお話です。神堂慧理那生徒会長、お願いします」
アナウンスと共に、慧理那が舞台に上がり、生徒達が静まり返る。
さて、慧理那の演説を聞こうじゃないか。
「皆さん……昨日、日本全国のテレビ局が電波ジャックされ、謎の集団からテイルドラゴンへ挑戦が叩き付けられたのはご存知でしょう」
あの電波ジャック、日本だけだったのか。
てっきり全国生放送なのかと思っていたんだけどな……。
「謎の集団って……あのアルなんちゃらって怪人たちじゃないのか?」
「そういえばいつもの怪人たちとは雰囲気が違ったような……」
クラスの生徒たちの会話だけでもジェラシェードの脅威どころか、存在さえ気づかれていた様子がない。
今まで奴らが実体をもって暴れたのは人目につかない場所のみ。
知られていないのも仕方がないのかもしれない。
「謎の集団……その名は、暗黒思念体ジェラシェード。時折エレメリアンたちに取り憑き、狂暴化させているあの黒い霧の正体です」
その一言で生徒たちがざわついた。
「なんだって!?あの黒い霧が?」
「この世界を狙っているのはアルティメギルって連中だけじゃなかったのか!?」
「何がどうなってやがる!?」
戸惑い気味の意見が飛び交う中、慧理那の話は続く。
「ジェラシェードは、人間の嫉妬から生まれた存在で、誰・か・を・恨・む・心・に反応し、その恨みを喰らいながら増殖、数を増やしていく性質を持っているらしい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ