暁 〜小説投稿サイト〜
俺、リア充を守ります。
第5話「想いの竜ーテイルドラゴンーその2」
[10/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だもん」

 下を見ると憑りつかれた人たちが物陰でスタンバってるのが見える。

 ヒロ兄……信じてるぜ……。

 心の中でそう呟き、俺は天井を見上げた。

 

 □□□□

 

 マシンサラマンダーが風のように道路を駆け、コートの裾がバサバサなびく。

 一刻も早く総二と愛香を救出しなければ……。

 その使命感が俺を突き動かしていた。

「確か道の先だよな?」

『ああ。そこを左に曲がれば港の倉庫区が見えてくる筈だ』

 ヒーローCの指示に従いハンドルを切る。

 すぐに連なる倉庫の屋根が見えてきた。

「三番倉庫……だったな」

『そこの奥の倉庫だ。3って書いてあるのが見えるだろう?』

 奥の方に目的の倉庫を確認する。

 ご丁寧に扉が半開きだ。

「奴らの狙いは俺だ。俺が気を引いている隙に総二と愛香を救出しろ」

『了解。フォトンサングラスで状況を確認次第、作戦を開始する』

「よし、それじゃ頼むぞ」

 倉庫まで歩き出そうとした時、ヒーローCが1つの疑問を口にした。

『本当にこんな回りくどい方法でいいんだな?』

「……それ、どうゆう意味だ?」

 歩みを止めてマシンサラマンダーの方に振り返る。

『喫煙属性スモークでも使えば、もっと楽に救出できるんじゃないのか?』

「…………」

『戦闘においてもだ。お前は全く属性玉を使おうとしない。……いや、使う事を躊躇っていないか?』

 そう、俺はエレメリアンやジェラシェードと戦う時、使うべきだと分かっていても属性玉を使ったことが無い。

 他の属性力が必要かもしれない状況においてもヒーローギアの性能で押しきる、もしくは属性玉の使用を愛香に任せて総二と共に戦闘に専念する、といった感じで自分から使ったことは一度も無いのだ。

 その点においては総二と同じだ。

 だが総二は、ツインテール属性一筋で戦いたい、というこだわりから来ているもので、特に難しく考えているわけではない。

 しかし、俺の場合は……。

「……今はあの2人を取り戻す事が優先だ……」

 それだけ言って俺はまた、歩き出した。

 倉庫の扉の前まで来た。

 間違いなく何人分もの気配がプンップンする。つまり、他にも何人かが憑りつかれてしまっているのは間違いない。

 待ち伏せされているのは確実だろう。

 来る途中ヒーローCに確認したが、人間に取り憑いたジェラシェードは本人を気絶させれば、身体が動かせないので出てくるらしい。

 つまり、俺は憑りつかれた人達を気絶させていけば良いってことだ。

 ……息を思いっきり吸い込み、荒ぶる気持ちを落ち着ける。

 さあ、ミッション開始
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ