第5話「想いの竜ーテイルドラゴンーその2」
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口には出さないが、心の中で謝っておく。
「それじゃ、頑張れよ」
「お疲れさまでした。ではまた明日」
生徒会室を出て、そのままツインテール部の部室に向かう。
今日は珍しくエレメリアン出現のアラームも鳴らなかったし、ゆっくりできるだろう。
書類が結構重かったし、お茶でも飲んでくつろごう等と考えながら部室の扉を開くと……。
「な……なんだよ……これ……」
俺の目に飛び込んできたのは荒らされた部室だった。
倒れた机に、割れて散らかっている湯飲み茶わんや急須……。
そして凹んだ壁際には気絶したトゥアールが転がっていた。
「おい!!しっかりしろトゥアール!!トゥアール!!」
「……う……うぅ……」
『大丈夫、気絶しているだけだ』
「よかった……」
ヒーローCの分析に安堵すると同時に、トゥアールが目を覚ました。
「こ……ここは……?」
「気が付いたか……ツインテール部の部室だ。トゥアール、ここで何があったんだ?」
「えっと……ッ!!千優さん……総二様と愛香さんは!?」
「会ってないぞ?……まさか、二人に何かあったのか!?」
「慧理那さんのところの……桜川尊に……攫われました……」
「尊さんに!?」
一体何故、尊さんがこんなことを……。
『千優!!思い出したぞ……あの腕時計の正体を!!』
「今頃かよ!?」
『いいから聞け!!』
ヒーローCがスマホ画面に一つの画像を表示する。
「これって……」
それは、あの夜倒したあいつらの形見。
地面に転がる死角に潜む者ラークスクエアーズの属性玉エレメーラオーブとあの腕時計の写真だった。
『なんで今まで忘れていたんだ……。あの腕時計はこの世界のものではない、死角に潜む者ラークスクエアーズが造ったものだ!!』
「あの腕時計か!!残っていたのかよ……」
俺が初めて戦ったエレメリアンの小部隊、「死角に潜む者ラークスクエアーズ」。
尊さんが巻いていたのは、そのメンバーが腕に巻いていたエレメリアン反応の基である、属性力のエネルギー波を抑えるフィールドを発生させる腕時計だった……。
そして、他人の身体を乗っ取って悪事を働き、しかもこの腕時計型デバイスを必要とする奴は、ジェラシェードしかいない!!
「なんでもっと早く気付かなかったんだ……」
『あの時、属性玉エレメーラオーブを回収した際に、彼らの腕から抜け落ちたものは破壊したが……戦闘中に壊れたと思っていた足りない分はジェラシェードに持っていかれていたのか!!』
なんとゆうことだ……。
俺たちが見逃してしまったばっかりに、二人は攫われてしまったのだ
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