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俺、リア充を守ります。
第5話「想いの竜ーテイルドラゴンーその2」
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ぐったりしていると殴る気力も失せるわね……」

「そうでなけりゃ殴るのかよ!?」

 ようやくいつもの風景が戻ってきたかと思っていた……その時!!

「「「ッ!?」」」

 三人は部室の扉に目を向ける。

「今の気配は……殺気!?」

「間違いない……俺も感じた!!」

「私も背筋が凍りつくかと思いました……今のは……一体!?」

 愛香が扉の裏へ張り付く。

 そして3秒後、勢いよく扉を開けると……。

「さ……桜川先生?」

「津辺か……どうした?そんな怖い顔して?」

 扉の前にいたのは、カメラを片手に佇むメイド長、桜川尊だった。

「今の殺気は……まさか……」

「うっかりしていたよ……つい殺気を出してしまった」

「え……?」

 次の瞬間、バチッという音と同時に愛香が倒れる。

「あ……」

「「愛香(さん)!!」」

 尊が手に握っていたスタンガンのスイッチを入れたのだ。

「桜川先生!?いきなり何を……」

「フフ……さてと、お前も眠ってもらおうか」

 目にもとまらぬ俊敏さで、一瞬の内に総二の前に移動した尊は総二の首筋にスタンガンを当て、再びスイッチを入れる。

 悲鳴も上げず、総二は気絶した。

 あまりにも一瞬の出来事で、疲労が溜まっていたとはいえトゥアールにも何があったのか分からなかった。

「さて、これで準備は整ったな……」

「あんた……総二様と愛香さんをどうする気d……がっ!!」

  言い終わる前にトゥアールの豊満な胸に、尊の蹴りが命中し、トゥアールの身体が机の反対側まで吹き飛ぶ。

「ガッハ……ゲホッゲホッ……」

「間女に用はない。そこで寝ていろ」

 倒れている総二と愛香を担ぎ立ち去ろうとする尊。

 その姿を見ているしかないトゥアールの視界は、だんだん薄れていった。

 

 □□□□

 

 約10分後 生徒会室前

「ありがとうございます!!お陰様で無事に集計を終わる事が出来ました!!」

「おう!!……しかし、生徒会の仕事はやっぱり大変そうだな……」

「そうでしょうか?これくらいは普通かと思いますが?」

 やっぱりこの仕事に慣れている人はすごいな……。

 しかも慧理那はこんな小さな身体で頑張っているんだから。

「じゃあ、ここに置けばいいのか?」

「はい、そこに置いてもらえれば、あとはわたくしの仕事ですから」

 生徒会室の机に書類の束を置き、部屋を出る。

「やっぱり、千優さんも生徒会に……」

「何度も言ってるけど、俺なんかに務まる仕事じゃないよ」

「そうですか……」

 慧理那には申し訳ないが、許してくれ……。
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