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俺、リア充を守ります。
第5話「想いの竜ーテイルドラゴンーその2」
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ポリシーでな」

「ハッ!悪人らしいポリシーだな」

本当に清々しい程の悪だな。

「お前のことだから見ず知らずのカップルでも助けに来ると思ってな。この女の一番身近にいたそこの二人を人質にしたんだが……どうやらそれだけでは誘き寄せるための餌にしかならなかったようだな」

「お前……まさか俺を誘き寄せることができれば誰でもよかったってのか!?」

「その通り。別にどのカップルでもよかったんだ」

 総二と愛香を攫った時点で腹は立っていたが、正直、ここまで腹が立つとは思ってもいなかった。

 腹の底から怒りが湧き上がってくる……腸が煮えくり返る……ここまであくどいとは……。

「どこまでも……どこまでも腐りきってやがる!!」

 心の底からそう思った。

 ポケットの中からヒーローフォンを取り出す。

 だが次の瞬間、俺は変身することが出来なくなった。

「おっと、変身すればあの2人とこ・の・小・娘・の命はないぞ?」

「何ッ!?」

 尊さんが物陰から引っ張りだしてきた人物。

 それは……

「え……慧理那!?」

「もごもごもご……」

 後ろ手に縛られ、猿轡をされた慧理那だった!!

「この女の仕える主で、お前達のよく知るファン……ここまで最適な人質がいたのに何故最初から思いつかなかったんだろうなぁ?」

 尊さんが懐から小型ナイフを取り出す。

「その娘を離せ!!」

「今のお前が命令できる立場だとでも?」

「クッ……」

 まさか慧理那まで人質にするとは……どこまで卑怯なんだ……。

「さて、そのスマホを手放し、身柄を我々に渡してもらおう」

『千優ダメだ、絶対に従うな!!』

「もごもご!もごもごもごもごもご!!」

 ヒーローCが反対する。

 おそらく慧理那もおなじ意見だろう。

「さっさとスマホをこっちへ投げろ!!」

 ナイフを慧理那に突き付ける尊さん。

「……わかった」

『千優!!』

「ただし約束しろ。俺がヒーローフォンを手放し、お前達に捕まってやる代わりに、お前らも人質を解放しろ」

「言った筈だ。お前は命令できる立場では……」

 想定内の答えだ。だから俺は、ハッタリをかける事にした。

「もうすぐツインテイルズが到着する」

「なんだと!?」

 総二達に目をやる。

 2人とも一瞬驚いた表情だったが、すぐにこちらの意図を察してくれたようだ。

「ツ……ツインテイルズが来てくれればお前らなんてすぐにやっつけられちまうさ!!」

「そ、そうよ!!あの2人ならすぐに逆転できちゃうんだから!!」

「もごもごもご!!」

 尊さんも少し焦っているようだ。

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