第4話「想いの竜ーテイルドラゴンーその1」
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「じゃ、俺こっちだから」
「おう、いってらっしゃい」
前方にいた友達の集まりに入っていく弟を見送り、俺は高等部の校舎への道へ歩きだす。
今は朝の七時四十分くらい、登校時間真っ只中だ。
ツインテイルズの一員となったあの日から数日経った。その間に俺たちは何体かのエレメリアンと戦ったが、いずれもあっさり倒せたのが驚きだった。死角に潜む者ラークスクエアーズが強かったのか、それとも鍛えることを怠った連中ばっかり来ているのかは分からないが、それでも連戦連勝なのは間違いない。
ジェラシェードはというと、エレメリアン程出現頻度は高くなく、出現しても瞬殺できるよう努力しているため、あれから目立った被害は出していない。エレメリアンに取り憑くこともあるが、そのたびに俺が浄化して、総二や愛香、時々俺がトドメを刺す感じだ。
そんなこんなでもう五月に入っていた。
「あ、ヒロ兄おはよう」
「おはよ、ヒロ兄」
「千優さんおはようございます」
「おう、おはよう」
道の途中で総二と愛香、そして制服を着たトゥアールに会い、そのまま一緒に登校する。
「トゥアール……お前も学校来るのかよ……」
「なんですかその顔!私に何か問題でもあるような顔して……」
「「「いや、大ありだろ!!」」」
あ、またハモった!!やっぱり同意見だったか。一体何をやらかしてるんだ……。
「あ、ちひろだー」
「呼び捨てかよコンニャロー」
「ヒロっさんちわーっす」
「おはよ、相変わらずそのあだ名で呼ぶんだな」
「千優先輩おはようございます」
「おう、おはよう。元気そうじゃん」
「千優、元気かー」
「ああどうも、お久しぶりです」
登校中、いろんな後輩や先輩から声をかけられる。
「相変わらずヒロ兄は顔が広いな……」
「みたいだな」
「え〜、高校生になっても人気が衰えていないの?」
「ああ、全く。むしろ学年上がるたびに顔が広まる感じだ」
ホント、俺が一番ビックリしてるよ。卒業生や顔も名前も知らない(もしくは覚えきれてない)後輩から声かけられたりするんだもんな……。
「千優さん、学校の有名人なんですか?」
「え?トゥアールまだ知らないの?」
「え?何がですか?」
「編入してきたとはいえ多分、一週間くらいあれば耳に入ると思うんだけど……」
トゥアールからの質問に驚く二人。
「ヒロ兄、学園内でもかなり有名な生徒だよ」
「へ?そうなんですか!?」
「卒業した小学部や中等部でも名前がいまだに残っているみたいだしな……」
「お姉ちゃん曰く、大学部でも時折話題に上がるんだって」
「なんでそんなに有名
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