第4話「想いの竜ーテイルドラゴンーその1」
[13/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しようとした時、ギャラリーから見覚えのある顔が近づいてきた。
「あれは……慧理那?」
他のギャラリーや取材班よりも早く、走ってこちらへやって来るのは、つい数十分前に別れたばかりの慧理那だった。
「悪い、先に帰っていてくれないか?」
「ああ、そうする……」
「そーじは私に任せて。ほらそーじ、肩貸して?」
「ありがと……」
そのまま光の中へと消えてゆく二人を見送る。あの状態でギャラリーにもみくちゃにされたらひとたまりもなかったろうな……。
「ハア、ハア……テ、テイルドラゴンさん……ま……待ってください……」
「ん?君、この地域でいつも見かける子だよね?この前も襲われかけてたりしていた……」
正体がバレないように演技するのも忘れない。
だが、よく見かけるので一応それなりの対応で話しかける。
「覚えてくださっているなんて、光栄です!!」
慧理那嬉しそうだな。まあ、憧れのヒーローに覚えてもらえていたら喜ぶのも当然か。俺がその立場でも嬉しいさ。
「何か用でも?生憎レッドとブルーは先に帰っちゃったけど……」
「いえ、今日用があるのは、テイルドラゴンさんの方ですから」
「え?俺に?」
「はい!」
珍しい。今まで助けた時は、テイルレッドへ憧れの視線を向けていたし、学校でもツインテイルズの話をすれば、レッド多め(次にドラゴン、あとブルーも忘れてはいない)の内容になるくらいなのに……。
何か思い当たる節はないかと考えていた俺に、慧理那は唐突に聞いてきた。
「テイルドラゴンさんは何故、ツインテールじゃないんですか?」
「ブッ!!」
……あまりにも唐突な質問に思わず吹いてしまった……。
「あ!!スミマセン、男の人にそんな質問をするなんて失礼ですわよね……ただ、どうしてツインテールではない貴方の名前に『テイル』と入っているのかどうしても気になってしまって……」
そういやこの前そんな話題になった気がする。
そういや、俺も考えたこと無かったっけ?
あの時、ツインテイルズに合流することを前提に考えた名前だったからな……。
でもそんな事言ったら夢がないような……。
「お嬢様、捜しましたよ!!」
答えが見つかる前に、尊さんがやって来た。
「尊!何処に行っていたんですか?」
「お嬢様がお買い物の帰りに近くでツインテイルズが戦っているらしいからと私を置いて先に行ってしまわれたからですよ……」
「まあ!それは申し訳ない事をしてしまいましたわ……」
「いえ……無事ならそれでいいのです……」
買い物帰りだったのか。尊さんも大変だな……。
「テイルドラゴン……だったか?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ