第3話「Cの追憶/決意の夜明け(ライジングサン)」
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うと同時に俺は演奏をやめた。
「タランチュラギルディ!アントライオンギルディ!大丈夫か!?」
倒れた二体に近づく。
「ウ……ウゥ、わ……私は……一体?」
「確か……あのジェラシェードとかいう連中に……囲まれて……」
「「ッ!?リーダー(ドクターフィッシュギルディ)!!」」
二体が倒れたドクターフィッシュギルディに駆け寄る。今度はウルフギルディがドクターフィッシュギルディを抱きかかえていた。
「大丈夫かドクターフィッシュギルディ!!すまない、俺のせいで……」
「私も……貴女になんてことを……」
「二人とも……元に戻ったのか……良かった……」
ドクターフィッシュギルディが受けた傷に目をやる。彼女の能力で治癒してはいるが、彼女自身は元気がない。
『受けたダメージが大きく、傷は治療できてるが回復が間に合っていない。もう、彼女は……』
「なに言ってやがる!!まだ助かる筈だ……何か方法は……」
ナビゲーションシステムの暗い発言を打ち消そうとする俺。だが、
「いや、リーダーはもう助からない。リーダーももう悟ってる……」
ウルフギルディの一言が俺の胸に突き刺さる。
「ああ……、ウルフギルディの言う通り……私の身体はもう長く持たない。……あと数分で消滅するだろう……」
「そんな……」
ここまで頑張ったのに……こんな結末で終わるのか……。
「物事は常にハッピーエンドとは限らない……だが、君は……私たちのために……最善を尽くしてくれた。私には……それが嬉しいんだ……だから……自分を責めないでくれ……」
「そうだ……お前は俺達と拳を交え、一人で正々堂々と戦った……」
「それだけでなく、私たちを正気に戻すべく奮闘してくれました……」
「お前は……今までで最強の好敵手だったぜ……」
「お……お前ら……」
ドクターフィッシュギルディを救えないのに……俺も……仲間の誰かも責めずに、むしろ称賛するなんて……どこまで人の良い連中なんだ!!
「さて……私の生命はもう長くない……君たち三人はこれからどうする?」
ドクターフィッシュギルディは自分の最期を前に、仲間達へ問いかける。
固い絆で結ばれた彼らならきっと……。
「この部隊が結成された日に皆で誓ったはずだ!!」
「私達は四人で一人、一人の喜びは四人の喜び、一人の悲しみは四人の悲しみ……」
「そして、死ぬときは四人一緒に散ろう!!……リーダー、俺たちは最期までアンタについていくぜ……」
「フッ……そうか……」
ウルフギルディに抱きかかえられたまま、ドクターフィッシュギルディが俺に顔を向ける。
「なあ、最期に君の名前を聞かせてくれ……
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