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俺、リア充を守ります。
第3話「Cの追憶/決意の夜明け(ライジングサン)」
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 今度は右頬、次は腹部、更に胸部に蹴りを入れる!

「グッハァ!!」

 蹴りの威力で、今度はウルフギルディの身体がリングの隅まで吹っ飛ぶ!

「グッ……お前……やっぱり強ェじゃんかよ……」

「お前も……漫画の番長キャラみたいな戦闘スタイル、似合ってるぞ……」

「ハハハ……ありがと……」

 お互い、相手に称賛の言葉を贈る。戦って分かり合うって、こういう事なんだな。

「じゃあ、コイツを……俺の必殺技を……防ぎきってみろ!!」

「ああ、防いだうえで、お前に勝つ!!」

 言い終わるのとほぼ同時に、ウルフギルディが距離を詰める。

 来る!あいつの必殺技が!!

「必殺!狼牙百裂拳!!オラオラオラオラオラ(ry」

「グオォォォォォォ!!」

 あまりの速さに、腕が残像を残している。着ている学ランと掛け声が相まって、某無敵のスタンド使いを連想させるッ!!

「出たな、小僧の必殺技が……」

「あの拳の速さは、我々死角に潜む者ラークスクエアーズで最速。私でさえ、繰り出されれば見切ることは出来ない」

「さて、どう切り抜けますかねぇ、あの戦士」

 タランチュラギルディだけ紅茶セット取り出してるけど……まあ、いいや。

 他のメンバーが認める速さ……スピードでなら、あいつらの中で最速らしいな……。

 だが、いくら速いからといって隙が無い、って訳じゃない!

「なあ相棒、あいつのパンチ……一発一発の間に……どれくらいの隙がある?」

 ヒーローギアの性能なのか、この速さでもかろうじて相手の拳の軌道が判ることを活かし、この高速パンチを防いでいるが、あんまり長くはもたない筈だろう。

 だが、パンチ一発一発の合間に、僅かに間がある。その隙をつければ……。

『解析……完了!!……パンチ後のタイムラグ……0.1秒!!』

「……good!!」

 それなら行ける!……この動体視力なら……たった0.1秒だけでも……。

「オラオラオラオラ!!オラァ!!」

 その瞬間、ウルフギルディの鉄拳を防いでいた俺の両腕が、同時に弾かれる!

 機関銃のごとき連撃を受け止めていた鉄壁のガードが、一気に崩れ去ってしまった!

「これで、ボディから顎にかけてがら空きになったようだぜ!」

「ッ!!しまった!!」

 ウルフギルディの拳が、がら空きになった俺の身体を捉える!

「終わりだ!」

 ……な〜んてな。

「なッ!何ィィィィィ!!」

 ウルフギルディが拳を突き出した瞬間、命中するギリギリで体の力を抜き、後ろに倒れこむ!

 そして、倒れこみつつ、ウルフギルディの足元に滑り込み、そのまま股をくぐって背後へ抜ける。

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