第2話「Cの追憶/運命の始まりの夜(ビギンズナイト)」
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こうして、俺たちはビルの最深部へと足を踏み入れていった……。
□□□□
廃ビル最深部 大ホールにて
廃墟と化し、何もない状態の大ホールに4体のエレメリアンが集まっていた。
「……本当に気付かれていないんだな」
アリジゴクのような大顎をもつエレメリアンが疑問を口にする。
「ええ、間違いありません。いつもならもう来ている頃ですから」
タランチュラのような姿をしたエレメリアンが答える。
「さっすがタランチュラギルディ!まさか本当に奴らに気付かれずにこの世界にやって来れるなんてな!!」
狼の姿をしたエレメリアンが称賛の声を上げる。
「属性力のエネルギー波を抑えるフィールドを発生させ、ツインテールの戦士の目を掻い潜る……。実験は成功のようですね」
タランチュラギルディと呼ばれたエレメリアンが静かに呟いた。
「上から警戒レベルが引き上げられつつある世界までやってきたんだ。成果はしっかりと挙げていかなければな」
リーダーらしき魚のような女性型エレメリアンがそう言った。
「リーダー、何か作戦でもあるのかよ?」
「いや、これまで通りに行けばいい。我々はあくまでも補給部隊。必要な分を、必要な量だけ仕入れて退散すればいい」
数多の次元を侵略してきたアルティメギルだが、今までの、効率ばかりを求めた属性力の集め方に不満を持つ部隊もあった。
この、ドクターフィッシュギルディ率いる「死角に潜む者達ラークスクエアーズ」は、今までの作戦ではいずれ、失敗した場合に対処できなくなる事を危惧し、周囲の反対を押し切って、自分たちの攻めやすい分野から属性力を流行らせ、それから狩るという独自の戦法を編み出していた。
その結果、彼女たち死角に潜む者達ラークスクエアーズは、時間はかかるが、良質の属性力を集めてくることで知られるようになったのだ。
「だが、今回の世界は今までとは違う。ツインテイルズに見つかれば、そこで作戦失敗だ。この隠密作戦はバレた時点で意味を失くすからな」
そのとき、聴力の高いドクターフィッシュギルディの耳に、物音が聞こえた。
「ムッ!そこにいる奴、姿を現せ!!」
「ッ!?誰か居やがったのか!?」
「まさか、もうツインテイルズに見つかったんじゃ……」
「いえ、そんな筈は……」
誰かに気付かれる、それは彼らが最も恐れることだった。物音がした方向に、ドクターフィッシュギルディは少しづつ近づいていく。
「姿を見せなければこちらから行くぞ」
「………………」
やがて、ホールのドアの裏から姿を現したのは……、
「バレちまったか……」
仲足千優が、その姿を見せた……。
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