第2話「Cの追憶/運命の始まりの夜(ビギンズナイト)」
[9/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れたんだ?」
移動中、一番の疑問を口にする。これを聞いておかなければ、意味も解らないまま戦うことになってしまうからだ。
そんなのは嫌だ。何故、俺でなければダメなのだろうか。その問いに、ナビゲーションシステムは静かに答えた。
『お前が、この世界で最強の”ヒーロー属性“を持っているからさ』
「…………え?」
今、ナビゲーションシステムは何と言った?
『だから、お前にはこの世界で最強のヒーロー属性、つまり世界最強のヒーロー好きって訳だ』
「……それとこれと、どんな関係があるんだ?」
『人間には、属性力と呼ばれる精神エネルギーがある。それは人間の心の輝き、その人の心の拠り所から来るエネルギーともいえるものだ。例えばツインテイルズはツインテール属性、つまりはツインテールを愛する心を力に変えて戦っている。同じように、すべての人間が人生を懸けてでも愛したい物、性癖や趣味なんかに傾けている想いの力。それが属性力だ』
なるほど、ツインテイルズの力の源ってそんな俗っぽいところにあったのか。
家族愛とか友愛じゃなく、少し偏執的な愛こそが世界を守る力になっている辺り、世界とは解らないものだなぁ……なんて思ってしまう。
「で、俺はこの世界で一番強いヒーロー愛の持ち主……ってことなのか?」
『そうだ。それが無けりゃ、ヒーローギアは装着できないからなこの世界に来た時、一番強烈にその属性を感知したのがお前だったってわけ』
「なるほど……。じゃあそろそろ、そのヒーローギアの使い方について教えt……」
『止まれ!自転車を隠せ!!早く!!』
「うおっ!」
角を曲がった先が目的地の廃ビルだ。だが、角を曲がろうとした時、ヒーローフォンの探知機に反応があったのだ。
マウンテンバイクを物陰に隠し、隠れながら角の先を確認する。
「何の反応だったんだ?」
『奴らじゃない。この反応はエレメリアンだ』
「エレメリアン?」
『アルティメギルに所属する怪人たちだ。ほら、この世界には毎日のように出現しているだろ』
ああ、あいつらそんな名前なのか。覚えておこう。
『厄介だな、ジェラシェードと奴らが鉢合わせたら……』
「想像しただけで面倒だな……」
初戦で複数の敵を相手にして、勝てる確率は少ないだろう。経験値0でステージボスに挑むようなものだ。
なるべく気配を消しながら廃ビルの入り口に立つ。
静まり返った廃ビル内を、天井に空いた穴から差し込む月明かりが照らす。中には誰もいないようだ。
『エレメリアン反応は、ビルの最深部から出ている。ちょうどジェラシェードの空間移動予測地点だ』
「急いで行って、片付けておくか?」
『仕方ない、敵が増える前に叩くぞ』
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ