暁 〜小説投稿サイト〜
俺、リア充を守ります。
第2話「Cの追憶/運命の始まりの夜(ビギンズナイト)」
[7/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
事実なんだ。奴らが行動する理由は、人間の負の感情を喰らう事で、自分たちの数を増やす以外にもう一つ。他人の幸福、主に幸せの絶頂にいる男女の幸せを、負の感情を使ってブチ壊す事。ささやかな幸福さえ、奴らは壊しがいのある玩具としてしか認識していない……」

 身勝手すぎる。人間の自己中を凝縮したような行動理念だ……。

 ふと、暗雲の遥か後ろを見ると、闇に飲み込まれ、光を失くした別の宇宙が見えた。

「気付いたかい?あれが、奴らに滅ぼされた世界の末路だ」
「どうなっているんだ……あの宇宙の光は……」
「喰い尽されたんだよ。奴らにね……」

「あいつらは……どんな奴らなんだ?」

 さっきからアルティメギルよりも恐ろしいと言っているが、一体どんな酷いことをしてきた奴らなんだ?

「ジェラシェードは、人間の感情を喰らう存在……。人間の負の感情を喰らい、鼠算式に増殖していくんだ……」
「人間の感情を……」

 人間の負の感情をエサにしているってことか……。まるでスペースビーストだ……。

「感情を喰われた人間は、どうなるんですか?無感情になる……とか?」
「そう、そんなこともある。でも、もっと厄介なのは奴らの性質だ」
「性質?」
「奴らは、自分たちのエサである負の感情を増やすため、それを妨げるもの見失わせてしまうんだ」
「ッ!理性や良心、正の感情を!?」
「そう、理解が早いくて助かるよ」

 伊達にヒーロー物ばっかり観ていないぜ。まさか、特撮やアニメを愛好していたおかげで、世界の危機が分かりやすいなんて……。

 正の感情が消される……つまり、人々の心から光が消えてしまったから、あの宇宙には光が無いんだ!!

「ってことは、あいつらは人間の嫉妬や恨みなんかを煽って、それで世界を覆いつくしてしまう……と?」
「そして世界に溢れた負の感情を喰らい尽す前に、人々は結果的に滅びの道を歩んでしまう。ここまで言えば、説明は要らないね?」

 その時、俺の脳裏に浮かんだのは弟分の総二と、鈍感な総二に想いを寄せる妹分の愛香の姿。10年近く、ずっと傍から見守っていたベストカップル……正確には親友以上恋人未満だが、俺にとっては世界で一番幸せになってほしい二人の姿だった。

 あの二人の幸せを……いや、この世全てのカップルから幸せを奪おうなど、絶対に許せない!!

 リア充、即ちカップルとは、見ていて微笑ましいものだ。見ているだけで心が癒され、向こうが幸せなら、その幸せはこちらにも流れ込んでくる。幸せいっぱいな人々とはそうやって、自分たちの幸せを他人にも分け与えることができるものなんだ。

 俺は俗にいうカプ厨というやつだが、カプ厨とは人一倍、カップルを祝福したがるもの。だからジェラシェードの蛮行は、推しカプから幸せ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ