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俺、リア充を守ります。
第2話「Cの追憶/運命の始まりの夜(ビギンズナイト)」
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もない。順を追って説明しなくちゃね」

 俺の疑問に答えるように、Dr.シャインは説明を始めた。

「君たちの世界に、危機が迫っているんだ。世界を滅ぼそうとする邪悪な存在が、この世界にやって来る」
「あのアルティメギルって連中の事ですか?アイツらなら、テイルレッドとテイルブルー、ツインテイルズの2人が居るじゃないですか」

 すると少年は首を横に振った。

「アルティメギルとは別の、もっと恐ろしい存在だ。あれを見てくれ」

 そう言ってDr.シャインが指を鳴らすと、白一色だった周囲の風景が一転した。
無限に広がる大宇宙を内包した、数多の気泡。マルチバースのど真ん中に、俺は立っていた。

「あれを見てくれ」
「こっ、これは!?」

 彼が指差した先には、宇宙の全てを飲み込まんばかりの、巨大などす黒い暗雲が立ち込めていた……。

「なんだよ……あの黒い雲……」
「あれは雲なんかじゃない。生命体だ」
「生命体……?あの黒い雲が?」
「そう、正確にはあの雲を構成する成分の一つ一つが、形を持たない精神生命体なんだ」

 一体、どういう事だ?そんなこと……特撮かアニメでもない限り……あるわけ……。

「特撮かアニメでもない限りあり得ない……そう思うだろう」
「ッ!?」
「君の考えていることは、こちらにも分かる。君の考えは尤もだろう」

 ……俺の名前を知っているだけでなく、考えまで読めるなんて……。この人は何者なんだ?

「しかし、君も知っているだろう。その特撮かアニメでしかありえなかった出来事が、この宇宙では実際に起きているんだ」

「ッ!アルティメギルとツインテイルズの戦い……」

「そう。アルティメギルも、別宇宙からやってきた精神生命体、という点では奴らと共通している。でも、あの黒い雲の生命体……「暗黒思念体ジェラシェード」は、アルティメギル以上の脅威。災害とさえ言えるだろう」

 ジェラシェード……あの黒い雲の生命体はそんな名前なのか……。

「ジェラシェードってことは、嫉妬(ジェラシー)と関係でもあるのか?」
「よく解ったね。そう、あいつらは嫉妬を始めとする、人間の負の感情から生まれたんだ」
「人間の……負の感情から!?」

 まるで、人間の心の弱さに漬け込み、そのマイナスエネルギーで何度も蘇る異次元人じゃないか!
そんな生命体がいるなんて、宇宙は広いものだと実感する。

「ちなみに、奴らを構成している負の感情の主成分は、その名の通り嫉妬。充実した人々の幸せを妬む心……平たく言ってしまえば、非リアが持つリア充への嫉妬心だ」

「……はぁ?」

 今、なんと?非リアの嫉妬がアレを生んだって聞こえた様な気がするんだけど……。

「……信じられないかもしれないが
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