第七章
[8]前話
王宮に戻って職務に戻った、そして次の日神殿に来て神に話した。
「実際にです」
「いい感じでだね」
「働くことが出来ました」
「そう、実際にね」
「たまには休んで、ですか」
「羽目を外すこともね」
そうしたことをすることがというのだ。
「いいんだよ」
「そうなのですか」
「実際に君の叔母さんもお母さんも表情は明るいね」
「はい」
実際にとだ、ペンテウスは答えた。
「それは」
「そういうことだよ、だからね」
「時には休む日をもうけてですか」
「楽しむことも必要なんだよ」
「飲んで、ですか」
「楽しく騒いで歌ってね」
そうしてというのだ。
「伴侶がいるならその伴侶と」
「いないならいないならで、ですか」
「相手を探してもいいし」
「乱痴気騒ぎもですか」
「いいんだよ」
そちらもというのだ。
「子供も出来るしね」
「そしてその父親と結婚すればですか」
「いいんだよ、堅苦しく考えずに」
「休み羽目を外す」
「そうしたことも大事だよ、君もこれでわかったかな」
「乱痴気騒ぎはどうもですか」
生真面目はペンテウスはそれはと述べた、だがそれでも神にこう返した。
「ですが」
「それでもだね」
「休む日はもうけ」
そして休んでというのだ。
「王の務めを果たしていきます」
「そうするといいよ、勿論子供もね」
「こうしたこともしてですか」
「もうけることだよ」
「ですが何人も同時にとは」
「そこはそれとして。王妃の人を見付けて」
ディオニュソスはそれは自分の司るものではないのでいささか言葉を濁して答えた。
「していくといいよ」
「このことはこれ限り、ですね」
「あと叔母さんやお母上にはね」
「はい、相手を見付けてもらうということで」
「僕がお酒でさせていることもね」
「いささか乱痴気過ぎますが」
「だからそこは置いておいてね」
やはり濁して答える。
「宜しく頼むよ」
「何はともあれそうさせてもらいます」
こう言ってだった、ペンテウスは自分もディオニュソスに乗せられたこともあり以後彼が開く乱れた宴は仕方ないとした、そして。
彼の言う通りに七日のうち一日は休むことにしてそうしてそのうえで酒も楽しみかつ王妃とも楽しんで子供達ももうけていった、そして以前よりはくだけた人物になりそうして王の務めを果たしていった。すろとそちらの方が評判がよかった。ギリシアに伝わる古い話である。
ペンテウスへの悪戯 完
2020・4・19
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