第六章
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ディオニュソスは二日酔いになったペンテウスを今自分が入っている沐浴の場に連れて来させた、その広い大理石の風呂場にだった。
ペンテウスは案内された、見れば若いテーバイ王は非常に苦しそうだ、神はその王に対して微笑んで言った。
「一緒に入らないかい?」
「神と共に湯浴みなぞ」
「その神がいいと言ったら駄目かな」
「それならですか」
「いいじゃないか、そしてね」
それにとだ、ディオニュソスはさらに言った。
「君は今かなり苦しいね」
「飲み過ぎました」
「なら余計にだよ」
「沐浴で、ですか」
「頭をすっきりとさせて」
そしてというのだ。
「二日酔いから解放されるべきだよ」
「それでは」
「服を脱いでね」
ディオニュソスはペンテウスにこうも言ってだった。
そのうえで裸になった彼と同じ湯に入ってだ、彼に問うた。
「一ついいかな」
「何でしょうか」
「昨日はどうだったかな」
「覚えていません」
ペンテウスは湯に浸かったことで酒が急に抜けていくのを感じつつ神に答えた。
「実は」
「そうなんだね」
「はい、ですが」
それでもだ、ペンテウスはこうも答えた。
「起きた時女達が裸で同じ床にいました」
「そうだったんだね」
「どの者も昨日は素敵でしたと言っています」
「楽しんだ様だね」
「あの、そう言われますが」
ペンテウスは何気ない振りをするディオニュソスに眉を顰めさせて問うた。
「あの女達は」
「ああ、わかったんだ」
「わかります、貴方に仕える者達ですね」
「そうだよ」
ディオニュソスはペンテウスに笑って答えた。
「僕は冗談は言うけれど嘘は言わないからね」
「だからですか」
「今もね」
「正直に言われますか」
「嘘を吐かないのは僕の誇りだよ」
「では昨夜のことは」
「そう、実際にね」
それはというのだ。
「僕が酔わせてね」
「水に何かされましたか」
「君が飲む時に葡萄酒に変えていたんだ」
「そうしてですか」
「しこたま酔った時に床に案内してね」
「女達と共にですか」
「楽しんでもらったよ」
こう言うのだった。
「どうだったかな」
「酔っていたので覚えていません」
ペンテウスは酒が抜けていくその中で答えた。
「ですが女達の言葉を聞くと」
「君は君の叔母さんやご母堂と同じことをしたということだね」
「恥ずかしい限りです」
「いや、君が昨日の夜遊んだのはそうした娘達でね」
「いいのですか」
「そう、遊んでもね」
例えそうしてもというのだ。
「いいしね、それにね」
「それにとは」
「本当に七日に一日は休んで」
そしてというのだ。
「時折羽目を外すこともね」
「いいですか」
「試しに今日王宮に戻って仕事をすればいいよ
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