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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
帝国領侵攻作戦(その1)
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ミッターマイヤーとそれだけではないロイエンタールか……。だがロイエンタールの言うようにただでは済まないのも事実だろう。となれば相対的にローエングラム伯の地位が上がるのも事実。さてどうなるか……。

「これまでは攻める立場だったが守る立場に変わるのか」
「やれやれだな」
「奪回作戦が有ると思うか?」
俺の言葉に二人が顔を見合わせた。

「いずれは有るだろうな。しかし直ぐ、という訳にはいかんだろう」
「ロイエンタールの言う通りだ。反乱軍がどうやって要塞を攻略したのか、そのあたりを調べなければ……」
「となれば早くても夏を過ぎ秋ぐらいか……。しかし、反乱軍が動いているという情報は無かったな。イゼルローン要塞を攻略したのだ、かなりの兵力を動かしたはずだが……」

俺の言葉に二人が頷いた。二人とも訝しげな表情をしている。
「妙な話だな」
「うむ、確かに気になるが元帥閣下から教えていただけるだろう。先ずは呼び出しを待つとしようじゃないか」

ロイエンタールの言う通りだな、ここで悩んでいても仕方がないか。なんとなくそれが結論になった。それを機に二人がお茶の礼を言って席を立つ。二人を見送り俺も仕事に戻るか、そう思った時だった、ヴァレンシュタイン大佐が“少しお時間を頂けますか”と話しかけてきた。



帝国暦 487年 7月14日   オーディン  ローエングラム元帥府   オスカー・フォン・ロイエンタール



ローエングラム元帥閣下より呼び出しがかかった。会議室で閣下を待っているのだがどうにも気に入らん。どうしてトサカ頭が俺より上座なのだ? 毎回毎回奴が俺の上座に座るたびに思う、どうにも納得がいかん。

確かに奴は勅命を受けてカストロプの反乱を鎮圧した。それによって大将閣下に昇進し双頭鷲武勲章も授けられているが……。いかん、考えるべきではない、奴は武勲を挙げて昇進したのだ。悔しければ俺も武勲を挙げて奴を追い抜けばよい。俺にはそれができるはずだ。

問題はトサカ頭にはお天気女というとんでもない護符が有る事だ。あの護符、いや魔符だな、あれは死人を生き返らせるくらい強力で邪悪だ。実際何処かの馬鹿子爵はアレの所為で破滅しているからな。それでも生きているだけましだろう。いや、生き恥を晒している分惨いというべきか……。

元帥閣下が部屋に入ってきた。皆一斉に起立して閣下を迎える。閣下の後ろには新しく参謀長に任じられたオーベルシュタイン大佐がいた。長身痩躯、血色の悪い白髪頭だ。元々はイゼルローン要塞駐留艦隊に所属していたがゼークト提督を見殺しにして逃げてきたのだという。

本来なら敵前逃亡で銃殺刑に処されてもおかしくはないのだが元帥閣下が彼を参謀長に受け入れた。全くなんであんな男を受け入れたのか、皆が不思議に思っている。もっ
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