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レーヴァティン
第百六十四話 幕臣その七

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「決してな」
「そのこともですな」
「守らせる」
 寺社勢力、彼等にというのだ。
「個々の僧を政の場に入れるが」
「その教えが入ることはさせない」
「それはな」
 決してというのだ。
「政と教、政と祭はな」
「それぞれ分けていきますか」
「政は政でな」
 それでというのだ。
「進めていく」
「それでは」
「その様にな」
 まさにと言ってだ、そうしてだった。
 英雄は幕府の政を老中達とも話して進めていった、その中で諸藩を見ていたが跡継ぎがいない家も見受けられ。
 英雄は老中達にそうした家について政を出した。
「跡継ぎのいない家には養子縁組、分家からの跡継ぎを出すこともな」
「認める」
「そうされますか」
「今後は」
「跡を継ぐ者はいないとだ」
 それこそというのだ。
「それで家はなくなるな」
「はい、まさに」
「その時はです」
「家がなくなります」
「まさに」
「だからだ」
 そうなるからだというのだ。
「その藩主が臨終の言葉で決めてもな」
「それでよし」
「その者に家を継がせ」
「家を残させますか」
「その様にする、法に反した家は罰するが」 
 これは当然のことにしてもというのだ。
「しかしだ」
「跡継ぎについてはですか」
「大幅に認める」
「そうしていかれますか」
「そうだ、それはいいな」 
 こう老中達に話した。
「よいな」
「わかりました」
「では天下にその様に法を出しましょう」
「そうしましょう」
「それではな、俺は別に藩を潰すつもりはない」 
 これは幕府の中にあるどの藩もである。
「だからそこはそうさせる」
「そうした理由で藩を潰させない」
「そうしてですか」
「家を残させて」
「藩も残させますか」
「その様にな」
 こう言うのだった。
「中にはそうした藩も多いがな」
「跡継ぎは、ですか」
「死ぬ時の言葉で定めてもな」
「よしとしますか」
「そうする」
「それでは」
 幕臣達も頷いた、こうして藩の跡継ぎのことも決まった。そうしたことも話してそのうえでだった。 英雄はその夜はお静と共にいた、そこで床に入る前に彼女に茶室で共に茶を飲みつつこんなことを言った。
「俺は夜も好きだ」
「そうなのですか」
「朝も昼も好きだが」
 それだけでなくというのだ。
「夜もだ」
「好きで、ですか」
「それでだ」
 そのうえでというのだ。
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