ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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してしまったのは、意外なことにヒカリである。
大輔と賢、パートナーデジモン達が辺りをキョロキョロと伺っている間に、悪戯っ子の表情を浮かべたヒカリちゃんは、2人と3体の目を盗んで、機械や装置の陰に隠れてしまった。
すぐに気づいたのはプロットモンで、パートナーのヒカリがいなくなったことで悲鳴を上げ、それによって大輔達もヒカリがいないことに気づいた。
何処だ何処だって慌てふためく大輔達の声が聞こえて、ヒカリはくふくふと口元を両手で隠しながら笑いを堪える。
暫くしてブイモンが見つけたーって隠れていたヒカリを見つけ、引っ張り出した。
見つかっちゃった、ってヒカリはペロッと舌を出して、全然悪びれていない。
そして上級生達が危惧していた通り、最年少達は少しずつ脱線し始める。
「……ねえ、そう言えばさっきお兄ちゃん達が言ってたけど、大輔くんてお姉さんいるの?」
道中に落ちていたスパナを拾った賢が、それを軽く振り回しながら大輔に尋ねた。
先程、自分達だけで行動したいと上級生にお願いした時に、彼らが目の前で話をしていたから、気になっていたのだろう。
そう言えば言ってなかったっけ、って大輔はしれっと言った。
「おう、いるよ。丈さんと同い年の、小学6年生のお姉ちゃん。ジュンって言うんだ」
『ダイスケもオネエチャンいるんだ?どんな人?』
「んー……何て言うのかなぁ?ブレないって言うか、真っ直ぐって言うか……」
「自分の好きなものは好き!って譲らないよね」
身内の評価というのはなかなかに難しいものだ。
外から見た姉と、自分から見た姉というのはだいぶズレがあるから、大輔がこうだと思っていても周りもそう見えているとは限らない。
『じゃあジュンは何が好きなの?』
「そうだなー、何か男の人がお化粧してるバンドの音楽とか?音もでっかくて、時々お姉ちゃんの部屋から音漏れてるんだぜ?煩いからやめてくれって何度も言ってんのにさー」
『ばんど……?』
聞き慣れない言葉に、ブイモン達は首を傾げる。
バンドが何なのかは知っているけれど、何と説明したものか分からなかったので、曖昧に笑って誤魔化した。
「ヒカリちゃんは、大輔くんのお姉ちゃんのこと、知ってる?」
「うん、勿論知ってるよ。時々大輔君のお姉さんと一緒に、お兄ちゃんや大輔くんがサッカーしてるの、見てるんだ」
「大輔くん、サッカーやってるんだ?あ、お兄ちゃんサッカーやってるけど……」
「おう、治さんにもよく世話になってるよ。俺が日本に帰ってきたばっかの時は日本語全然分かんなかったんだけど、治さんが通訳してくれて助かったなぁ」
「お兄ちゃん、僕達がまだ一緒に住んでた頃から、海外でお仕事したいって言って英語のお勉強してたんだよ。すごいよねぇ。僕も勉強してるんだけど、全然分かんない
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