ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
[8/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
めた。
「……丈、お前確か大輔の姉ちゃんと同じクラスだったよな?」
「何だい、藪から棒に」
「だったら知っているだろう……?お姉さんがどういう性格をしているのか……」
「………………」
「そして大輔は、そんなお姉さんにそっくり……そこまで言えば、後は分かりますよね……?」
ふふふ、と5年生が遠い目をしているのは、気のせいではない。
3人は大輔だけではなく、サッカーをしている大輔をたまに応援しに来てくれる大輔のお姉ちゃんのこともよく知っている。
小学6年生にしてパンクやロックなファッションを好み、学校でもそう言ったタイプの服装を着て通学し、教師を仰天させたという逸話と、学校中の男子がひれ伏す切っ掛けになった“アレ”をしでかした伝説を持ち合わせている、トンデモガールである。
大輔は、そんなお姉ちゃんの弟だ。
大輔のお姉ちゃんと同じクラスである丈は、5年生3人の言いたいことが、痛いほどに分かった。
「……君達、絶対、絶対、ぜーったい!危ないことはしないって約束してくれるかい?」
「「「はい!」」」
返事だけはいいのだ、返事だけは。
物凄く不安だが、ダメだと言い含めて無理やり他の上級生達と一緒にしたところで、目を盗んでこっそりと抜け出すのは目に見えている。
だったら最初から別行動をしていることが分かっていた方が、心臓に優しいか。
『ブイモン達も、しっかりしろよ?ダイスケ達を護ってやれるのは、お前らだけなんだから』
『分かってるよ!』
『どーんとお任せ!』
『何たって、パートナーだもの!』
『……どうしよう、ソラ。ワタシ、物凄く不安』
「奇遇ね、ピヨモン。私もそう思ってたの……」
丈につられるようにゴマモンがブイモン達に言い含めるものの、どういう訳か頼りなく見える。
傍らでやり取りを見ていたピヨモンと空が半目になっていたことを、誰も咎められないだろう。
このまま悩んでいても埒が明かないということで、一向はさっさと3組に分かれて探索を開始する。
太一と空と丈で1組、治と光子郎とミミで1組、そして大輔とヒカリと賢で1組。
不安要素の塊が1組いるが、今は無理やりにでも置いておくしかない。
工場内に侵入した最年少とそのパートナー達は、工場を稼働させている“誰か”を見つけるという任務を遂行させながらも、見たことがない機械がひしめき合っている内部は、子ども達にとっては魅力的な場所でもあった。
すげーすげーって目を輝かせ、彼方此方視線を向けながら歩いているから、自然と足取りも遅くなる。
ゴマモンやピヨモンに、しっかりしろよと釘を刺されていたブイモン達も、大輔達につられて天井を見上げたり、両脇を占領している見たことのない機械や装置にすっかり心を奪われてしまっていた。
最初に脱線
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ