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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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探せばいいんでしょう?それなら僕達だって出来るもん!」
「プロットモン達もいてくれるし、危ないことはしません。約束します。ねえ、お兄ちゃん、いいでしょう?」

これまでずーっと上級生の後をついてくるだけだった2年生達の不満が、ここぞとばかりに爆発した。
小さいから危ないことはさせてもらえない。それは仕方のないことだ。
大輔達だってよく分かっている。治の推測が現実を帯びてきている今、2年生の大輔達にとって上級生達だけが頼りなのだ。
3人とも上に兄弟姉妹がいるから、もしも上級生達が目を離した隙に勝手なことをしたり、怪我なんかしようものなら、怒られるのは上級生達なのだということも、よく分かっていた。
下級生を怪我させるなんて、何してたの、ちゃんと見ててって言ったでしょう、って理不尽な説教を受けるところを、大輔達は兄や姉を通して何回も見てきた。
そりゃ、たまーにそれを利用して上手く叱られるのを回避したことはあったけれど、それは今は置いておくとして。



元々大輔は自立心の強い子である。
アメリカで生まれ育ったこともあり、自分で出来ることは自分でしなければ気が済まなかった大輔は、その自立心をサッカー部でも遺憾なく発揮していた。
こちらに来てから妙に大人しかったのは、流石の大輔も見知らぬところをうろつくのは賢明ではないことが分かっていたからである。
太一と治と空はサッカー部に入っていて、大輔はサッカー部の後輩だ。
小さな身体でちょこまか動き回る大輔を知っているからこそ、3人は敢えて大輔をヒカリと賢と一緒に行動させていた。
もしもヒカリや賢がいなかったら、先輩達がやるなら自分もやると言い出して、上級生に混じって先頭に立とうとしていただろう。
上級生達が下がってなさいって言ったところで聞かん坊の大輔は、きっと何でですかって地団駄踏んで癇癪を起していただろうと言うことは、安易に想像ついた。
だからこそ、ヒカリや賢という、大輔と同い年の子が他にもいてよかったと、太一達は思ったのである。
1番仲のいい女の子のヒカリちゃんは、お兄ちゃんと違ってあまり運動が得意ではない。
それどころか季節の変わり目になるとしょっちゅう風邪をひくような、身体の弱い子だ。
もっと小さい頃は、今よりもっと大変だったらしい。
そんなヒカリのお兄ちゃんである太一は、自他ともに認めるシスコンで、いつもヒカリのことを心配していた。
クラスどころか学年が違うせいで、ヒカリの面倒を見ることが出来ないけれど、大輔が転校してきてくれたお陰で、それが好転しているらしい。
どういう訳か、大輔が転校してきたその日から積極的に大輔に話しかけて、日本語が話せない大輔の面倒を見ているし、そのお陰でヒカリに懐いた大輔は暇さえあればずーっとヒカリと一緒にいる。
勿論、ちゃんと他の友達
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