ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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っくりしちゃったけど……ね、パタモン?」
『う、うん……』
賢も我に返り、隣にいたパタモンに同意を求めながら大丈夫だと返した。
大輔、ブイモン、ヒカリ、そしてプロットモンも、言葉にはせずとも何度も頷いている。
そんな最年少3人に、治は苦笑しながら再度謝罪し、太一から取り上げた光子郎のパソコンを返した。
「はい、光子郎」
「あ、ありがとうございます」
「壊れてはいないと思うけど、念のために確かめておきな」
「はい」
「……あと、分かっているとは思うけど、太一の前で不用意な発言はしないように」
「……そうですね」
半目になった治と光子郎の視線の先には、空と丈に説教されて正座をさせられている太一の姿があった。
学校の備品なども時折ぶっ壊して、先生に怒られている姿をよく見かけるからか、空と丈に説教されているところを見ても、あまり気の毒には感じられない。
一通り説教が終わり、空と丈からようやく解放された太一は、むすりと拗ねた表情を浮かべながら地平線が広がる砂漠に目を向ける。
単眼鏡を使わずとも見えたのは、明らかに不自然に立ち昇っている黒煙だった。
先程説教されて、機嫌が急降下していたことも忘れ、太一は走り出した。
アグモンが慌てて追いかける。
何とか起動してくれないものかと、治が取り返してくれたパソコンを弄っていた時だった。
「……え?」
キーボードを滑っていた光子郎の手が止まる。
突如として、パソコンが起動し出したのだ。
真っ黒だったディスプレイがパッと光り、起動したという旨のメッセージが映し出される。
やった、と喜んだのもつかの間、画面の端のバッテリー残量が0を示していた。
パソコンというのは常に電力を消費して稼働されているので、日頃から電源アダプタと繋げて使用するものだから、電源を入れていなかったとは言え、バッテリーが消耗していたのは理解できる。
しかし残量がないのなら、何故起動したのだろうか。
浮かんだ疑問を解決する術を、今の光子郎は持っていないので、治にでも聞いてみようかとした時、太一が子ども達を呼ぶ声がした。
先を行く上級生達を追い、同い年のミミと2年生の3人と一緒に、いつの間にか一行から離れていた太一の下へと走る。
黒煙が立ち昇っていたことに気づかなかった一行は、何か見つけたのかとその足を急かした。
地平線だと思っていた線は、切り取られたような高台だったようだ。
その高台から下ってだいぶ遠いところに、黒煙が上がっている原因が、あった。
張り巡らされた太い幾つものパイプと、それに繋がっているタンク。
「工場だ……」
明らかに人が建てたとしか思えないような構造物を目にした子ども達の行動は早かった。
太一を筆頭に、降りられる個所を探して建物に走っていく。
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