ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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いものが実体化する。
どういうこと?ってミミが治に聞けば、治は分かりやすく教えてくれた。
「ミミちゃん、何か好きなものはあるかい?」
「え?そうねぇ、オシャレなお洋服とか、アクセサリーとか!」
「そっか。じゃあ、ミミちゃん。そういうミミちゃんの好きなものはどうやって手にいれる?」
「んーと、パパやママが買ってくれたり、お友達がプレゼントしてくれたり……」
「うん、そうだね。本来は、そうやって手にいれるよね。ミミちゃんのパパやママが稼いだお金、お友達がお友達のパパやママから貰ったお小遣い、僕らの世界ではお金で物を手にいれるね?」
「うん」
「ああ、ガブモン。お金のことについて聞きたいなら後でちゃんと教えるから、もうちょっと待ってくれ。えーっと、つまりね。僕らの世界ではそうやって成り立っているけれど、この世界では“お洋服”って文字にすれば、それが実体化……文字がお洋服になるんだ」
「ええっ!?そうなの!?」
「うん。まあ勿論ただ文字にすればいいってものじゃないと思う。色々と制限とか、制約とか、文字を実体化させるために必要な条件とか、そういうのはあるんじゃないかな」
「なぁんだ、魔法みたいに何でもできるってわけじゃないのね」
「あはは、魔法だって万能じゃあないよ。でも概ねこの解釈で合っていると思う。そうだろ、光子郎?」
「はい、それで合っていると思います。先程、治先輩達と別れた後に、僕あの巨大電池に扉があるのを見つけたんです。」
「え、扉?」
「はい。見てみると、中は本来の電池の構造ではなく、空洞でした。その代わり壁一面に文字がびっしりと書かれていたんです。その一部を消した際、電気が切れてしまって……」
「あ、そう言えばさっき一瞬だけ暗くなって、ベルトコンベアが動かなくなったわよね?あの時かな?」
「ああ、やっぱりそうだったんだ。で、マジックで書き直したらまた電気が点いて……」
「文字の一部を消したら電気が消えて、書き直したら電気が点いた……本当にパソコンみたいだな」
『どういうこと?』
「パソコンもね、プログラムっていう文字の羅列で動いているんだ。1文字でも間違えると、パソコンは正常に稼働しなくなっちゃうんだよ」
『へ〜、オサムは物知りなんだね!』
「いやぁ、パソコンの中身が気になって一回分解しちゃったことがあって……」
「それはそれで治先輩らしいですね……」
「あの時は父さんに怒られた、怒られた。でも好奇心があるのはいいことだぞって、頭撫でられたよ」
「あはは、治さんでも怒られちゃうことってあるんですね!」
別れていた太一達が、息を切らしながら駆けつけてきたのは、その時だった。
そして開口一番に、逃げろと言い出した。
一体何のことだ、と治達がぽかんとしている目の前で、それは起こった。
突如として
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