ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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いと思ったのだろう。
電子機器が好きだから、大きなパソコンがあると聞けば嬉々として駆けつけてくれるかもしれない。
大輔の提案に賛成したヒカリ達は、早速来た道を戻っていった。
轟音が鳴り響く。
工場内の電力を賄っているお化け電池の内部に書かれていた文字の解読を行っていた光子郎だったが、打ち込んだプログラムの羅列が突如としておかしな動きを始めた。
パソコンを背負っていた鞄の持ち手に引っかけていた白い機械がそれに呼応するように反応し、更にディスプレイに工場の地形が映し出される。
簡単な3Dで描かれた工場から飛び立ち、そして地形のようなものが浮かび上がった。
大きな円形から飛び出しているような、尖ったでっぱりが2つ。
それが、テントモン達が生まれ育ったファイル島の地図であるということに気づいたのは、すぐ後だった。
だが、それをテントモンに尋ねることは出来なかった。
何故ならその直後に、テントモンが身体が熱いと言いながら、騒ぎ出したからだ。
テントモンは名前の通りテントウムシのようなデジモンで、腕と身体の接合部あたりから何故か煙が吹き出していた。
薄らと青白く発光もしている。
それは、まるで機械がオーバーヒートを起こした時の現象によく似ていた。
何があったのか、テントモンに尋ねても分からないとしか返ってこない。
持ち手に引っかけておいた白い機械が、規則正しく鳴り響くのも気になった。
手に取ってみると、小さなディスプレイに白い線が8本、縦に並んで点滅している。
これは、一体何だろう。
光子郎の好奇心が疼くが、テントモンの方が先に限界を迎えそうだったので、慌ててパソコンの電源を切った。
同時に、テントモンに起こっていた異変も収まった。
白い機械も、音が鳴りやんで画面に浮かんでいた白い線が消えていた。
暫く白い機械を呆然と見下ろしていた光子郎だったが、やがて弾けるように顔を上げ、パソコンをバッグに背負い直して乾電池の空間を出て行く。
慌てて追いかけるテントモンに見向きもせず、光子郎はベルトコンベアが流れていく先に向かって走った。
ベルトコンベアに乗って組み立てられていたはずの機械が、いつの間にか分解の工程に移っているのを見た光子郎は、この先に恐らく治はいないと判断し、別の道に逸れる。
カンカンカン、と金属でできた階段を駆け上がった先、解放された空が見渡せる屋上に、治達はいた。
興奮冷めやらぬ、と言った様子で光子郎は主に治に向かって捲し立てる。
この工場は、プログラムそのものがエネルギーを作っているのだ、と。
ミミとパルモン、ガブモンはキョトンとしていたが、流石天才少年の治はそれだけで光子郎が言いたいことを理解してしまった。
ここでは、データやプログラムなど、本来ならただの情報でしかな
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