ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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いていくだけだった。
最初に立ち寄ったのは、何かを作っている工場ラインだった。
土台だろうか、同じパーツが幾つもベルトコンベアに乗せられており、上から様々な形をした色々なパーツが次々と取りつけられている。
一体何が出来上がるのだろうか、と好奇心を抑えられずに、治とミミと光子郎はそれぞれの憶測を口にしながら流れていくベルトコンベアを眺めている。
その道すがら、治達は動力室を見つけた。
誰かいるかもしれない、という期待を込めて引き戸になっている扉を、治が代表して開けた。
ガラリ、と重たい扉を全開にさせて中に入り、目に入ったのが上記のものだった。
乾電池の横にはこれまた大きなモーターがあり、乾電池と繋がっていた。
光子郎の好奇心が更に刺激され、乾電池に近寄り、ペタペタと触れる。
見た目は光子郎達の世界の乾電池を大きくさせたものだった。
大きな大きな乾電池とは言え、巨大な工場をこれだけで賄えるほどの電力を持っているのだ、何か秘密があるに違いない。
「……あー、光子郎。まだ調べるつもりなら、僕達先にいくけど、いいか?」
「あ、すみません。構いませんよ、どうぞ先に行っていてください」
目をギラギラさせながら乾電池を見上げている光子郎を見て、色々と察した治は、ちょっとだけ腰が引けながらも光子郎にそう言った。
おざなりで返事を返されたことに治は苦笑したが、ここにいると言うことが分かっていればいいだろう、とキョトンとしているガブモンやミミやパルモンを促して動力室を出て行った。
「……あれ、こんなところにドアが……」
治達が出て行った数分後に、光子郎はお化け電池に扉がついているのを発見した。
恐る恐る手にかけて、引っ張ってみると、すんなりと開いたので中を覗き込んでみる。
「……う、わあ……」
中は、明るかった。
円形の空間の壁には、見たことがある文字とない文字がびっしりと書き詰められており、まるで古代の壁画のようだと光子郎は思った。
吸い寄せられるように正面の壁に赴いた光子郎の後を、テントモンがくっついていく。
「……これ、何だろう?」
『これは、デジ文字でんなぁ』
「デジ文字?」
『はいな。ワテらが使とる文字ですわ』
「へえ。何て書いてあるんだい?」
『それが、1つ1つの文字は読めるんやけど、読めへんのですわ』
「へ?」
『えーっと、文章になってへん、って言った方がええですな』
「何だ、それならそうと言ってくれよ」
それにしても、と光子郎は再び壁に書かれている文字を見やる。
テントモン曰く、特に意味のない文字の配列らしいのだが、光子郎は何だかコンピュータのプログラムのようだなあ、という印象を受けた。
恐る恐る手を伸ばし、壁に書かれている文字の1つの一部分を指で消した。
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