ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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間に入ってくれて、何とか誤解は解けたけれども、ここは日本なんだから日本の方式に従うように、と太一に言われた大輔は、最初こそ戸惑ったものの、最近は何とか違和感なく太一達を呼べるようになってきた。
最初は、サッカー部に入るんだから太一先輩って呼べ、って言われたのだけれど、先輩という言葉が難しく、また理解できなかった大輔は口をもごもごさせてばかりだった。
英語漬けの日々を過ごして、すっかり英語を使うための筋肉と化していた口では、『先輩』という言葉は言いにくかったらしい。
ずっと英語が飛び交っている中で育ってきたのだから仕方がない、と小学生にしては海外事情に詳しい治の提案により、暫くは『さん』付けでいい、と言ってもらい、今に至るらしい。
「……でもお兄ちゃん達はジュンさんのことは『さん』付けで呼んでるんでしょ?」
「……えーっと」
「……何か、色々あったみたいで……」
様々な伝説を作って上級生の男子はみんなジュンを怖がって『さん』付けで呼んでいるのだが、口に出すのは憚られた。
ただジュンと大輔が転校してきた約2か月後、ジュンが学校中を巻き込むようなことをしでかしてしまった、ということだけ記載しておこう。
その日から学校中の男子は、ジュンを見かける度に顔を真っ青にさせていたし、女子は尊敬の眼差しをジュンに向けるようになった。
それは太一や治も例外ではない。
2人は大輔を通じてジュンと知り合ったのでまだマシだが、それでもジュンがこの1年で作り出してしまった伝説を目の当たりにしてしまっているので、時々白目を剥きながらジュンを見つめていることがあるのは、公然の秘密である。
大輔とヒカリの顔も蒼褪めて何故か賢から目を逸らしているし、ここは空気を読んだ方がよさそうだ。
『……え、えーっと、じゃあ今度はヒカリ達のこと教えてよ!』
ヒカリの隣を歩いていたプロットモンが、慌てて話題を変える。
ジュンが作り出した伝説を思い出して顔を青くさせていた大輔とヒカリだったが、プロットモンの言葉を聞いて顔色を戻す。
「私達の」
「こと?」
『うん!アタシ達はヒカリ達の名前も、ここに来てくれることも知ってたけど』
『ダイスケ達が今まで何をしていたのかとか、どう過ごしていたのかとか、そういうの知らないんだよな〜』
『そう!だから教えて?ケン達のこと、もっと知りたい!』
教えて教えてって目を輝かせているパートナーが何だかおかしくて、3人は顔を見合わせた後、くすりと笑い合った。
それは、巨大な乾電池だった。
工場を散策するチームが、5年生によっていつの間にか決まっていたが、元来人に意見を述べることに積極的ではない光子郎は、そのことに対して文句を言うことが出来ず、ただ大人しく治の後をつ
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