第百六十四話 幕臣その二
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「いいな」
「そうしてですね」
「そちらも食う、その時に食わなくてもいいしな」
「干し肉にしたり燻製にしたり」
「色々保存の仕方はある、それにだ」
英雄は栗橋に話した。
「ハムやベーコン、ソーセージも美味いな」
「はい、それがしもです」
栗橋は英雄に確かな声で答えた。
「非常にです」
「好きか」
「どれも。美味です」
「そうだ、美味いからな」
「尚更ですね」
「肉はな」
「作らせますか」
「ステーキやすき焼きだけではない」
「干し肉や燻製もよし」
「だから食うのだ、そしてだ」
英雄の言葉は続いた。
「内臓もだ」
「そちらもですか」
今度は羽田が応えた。
「食うべきですか」
「そうだ、そちらも美味いな」
「確かに。牛や豚も」
まさにとだ、羽田は答えた。
「そして鶏も」
「内臓は美味いな」
「それも非常に」
「しかも栄養もある」
生きものの内臓、そこはというのだ。
「肝も他の部分もな」
「だからこそ尚更にですか」
「民に食わせる、生きものは基本的に捨てるところはない」
「内臓までも」
「尻尾も食える、豚は耳や足の先も食える」
そちらもというのだ。
「だからだ」
「そうした部分も食わせて」
「餓えさせずにな」
「栄養もですか」
「つけさせる、そして湖のものもな」
こちらの産のものもというのだ。
「食えるものはだ」
「全て食っていく」
「そうすればいい、兎に角だ」
「食うことですか」
「それが第一だ、だから馬鈴薯も薩摩芋も作らせて」
「肉も然りで」
「食えるものならな」
それこそというのだ。
「食うことだ」
「それでは」
「ただ。馬鈴薯だが」
英雄は表情を変えずこの作物の話に重点を移していった。
「問題がある」
「味ですな」
佐々木が応えた。
「それですな」
「そうだ、皮を剥いて食うが」
「ただそれを茹ででも」
「まだ味気ないな」
「食べられますが」
それでもというのだ。
「土臭く」
「味気もない」
「それが難点ですね」
「だからだ、乳製品を乗せるのだ」
「茹でた馬鈴薯の上に」
「チーズなりバターをな」
「そうすれば味がよくなりますか」
「この食い方を広めるのだ」
民達にというのだ。
「当然バターやチーズも多く作っていく」
「そのうえで」
「その食い方を広める、また揚げても美味い」
こちらの馬鈴薯の食い方もいいというのだ。
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