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レーヴァティン
第百六十四話 幕臣その一

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               第百六十四話  幕臣
 英雄は今は老中や勘定奉行そして主な藩の主達を前に集めていた、そうして彼等の話を聞いていた。
 まず勘定奉行の池田が言ってきた。
「銭は今はです」
「豊かか」
「はい、年貢だけでなく」
「特産品や街の商いもだな」
「右肩上がりで」
 売れて盛んで利益が上がってというのだ。
「それで、です」
「豊かになっているな」
「陸や湖の貿易も順調で西の浮島とのそれもです」
「順調だな」
「全ては、その為にです」
 幕府の財政はというのだ。
「右肩上がりになっています、ですが」
「それでもだな」
「その財をですね」
「そうだ、あるならだ」
 それならばとだ、英雄は将軍の座から池田に答えた。
「それだけだ」
「使われますね」
「そうしていく」
「ではこの度は」
「道を整え」
 そしてというのだ。
「軍船にもな」
「使われますね」
「そうする、あるならな」
 まさにというのだ。
「今はだ」
「使われますね」
「そうしていく、だからな」
「蓄えることは」
「今はしない、いや」
「出来ないですね」
「ある分だけ使い」
 まさにその全てをというのだ。
「そうしてだ」
「国を豊かにして」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「さらに国力を高めていく」
「そうしていきますね」
「新田の開墾もな」 
 これもというのだ。
「予算を回す」
「そうしていきますね」
「今はな」
「では」
 今度は老中の一人である栗橋が言ってきた。
「筑後の方で」
「そうだ、新田をな」
「開墾していきますね」
「それで天草や島原の方だが」
 英雄はこの国の話もした。
「あちらは田が少ない」
「それで、ですか」
「馬鈴薯や薩摩芋をさらに植えさせ」
 そしてというのだ。
「それでだ」
「民達の腹の足しにさせますか」
「そうする、米を作れなくてもな」
 そうした土地でもというのだ。
「食う方法はある」
「そうした作物を植えさせて」
「そうしてな、それとだが」
 英雄はさらに言った。
「玉蜀黍もだ」
「あの作物もですか」
「植えさせる」
 こちらもというのだ。
「いいな」
「そうしてですか」
「とにかく食える様にする」
 民達がというのだ。
「いいな」
「わかりました、それでは」
「あと肉は全体でさらにだ」
「よりですか」
「作らせろ」
 牛や豚、そして鶏をというのだ。
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