第三章
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「いいわね」
「それじゃあね」
「そう、いいわね」
「自分の身はなのね」
「自分でよ」
こう言って娘にその三つを持たせた、そして。
麻衣もその三つをいつも携帯する様になった、その分彼女は安心出来た。そうしてそのうえで日々を過ごしていると。
学校の帰り道にだった。クラスメイトと一緒に帰っていると山道で。
「ガルルルル・・・・・・」
「うわ、出たわね」
「出たじゃないでしょ」
クラスメイトにすぐに突っ込みを入れた、大型の野良犬が出て来たのだ。種類はわからないが大型で真っ黒なのが威圧感を漂わせた。
「まさによ」
「出て来たわね」
「だからね」
それでというのだ。
「早く何とかしないと」
「あんた色々持っていたわね」
「ええ」
こう返した。
「色々ね」
「警棒とかスタンガンとか」
「ブザーとかね」
「そういうの出して」
そしてというのだ。
「それでね」
「速くなのね」
「何とかしないと」
それこそというのだ。
「襲われるわよ」
「わかってるわ」
麻衣にしてもだ。
「それは」
「それじゃあ早く出して」
「待ってよ、持ってるけれど」
それでもとだ、麻衣は鞄の中を探しつつ応えた。
「咄嗟にはね」
「ちょっと、早く出さないと」
「わかってるわよ」
麻衣は怒った口調で返した。
「だから」
「急かすなっていうの」
「ちょっと待って」
こう言うのだった。
「いいわね」
「そんなこと言っても相手待ってくれないわよ」
「ガルルルルル・・・・・・」
犬はまだ前にいて唸っている。かなり怖そうだ。クラスメイトはその犬を見てそうしてそのうえで言うのだった。
「今にもね」
「あんた何も持ってないの?」
麻衣は鞄の中を必死に探しつつクラスメイトに問うた。
「どうなの?」
「鞄持ってるわ」
「それ私も持ってるから」
「そうよね」
「じゃあ鞄持って」
それを使ってというのだ。
「そうしてね」
「何とかしろっていうのね」
「今はね」
「あんたが何か出すまで」
「そうしてよ」
「どうしようかしら」
「キャンキャン!」
そうこう言っている間にだった。
ポッキーが駆けてきた、そしてだった。
麻衣達の前に来るとだった。
「キャンキャン!」
「ガウッ!」
「キャン!」
「ガウガウ」
犬と何か話している様だった、そしてだった。
犬は大人しくなった、それでだった。
麻衣達の前に伏せて大人しくなった、クラスメイトはその光景を見てすぐにようやく鞄から警棒を出した麻衣に言った。
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