ビースト VS アナザーウィザード
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そのままダイスサーベルまで弾き飛ばす。
「んなっ?」
地面に落ちたダイスサーベルの音。通路の入り口まで離れてしまったそれを回収する余裕など、ビーストにはない。
驚くビーストへ、アナザーウィザードは連続で蹴り入れる。炎の蹴撃は一つ一つがとても熱く、ビーストの体に的確なダメージを与えていく。
『サンダー』
さらに、発生した雷光で、ビーストの体は吹き飛ばされた。
地面を転がりながらも、ビーストは闘志を燃やして立ち上がる。
「んにゃろう……」
『ゴー キックストライク』
変身に使った指輪を、再びベルトに装填。すると、その右足に、黄色の魔力が集まっていく。
それに対し、アナザーウィザードもまたベルトに手をかざす。
『キックストライク』
アナザーウィザードが腰を下ろすと、その右足にまた同じく魔力が集う。
そして、二人の魔法使いはそれぞれの必殺技を放とうとしていた。
目を見張る、二つの魔力。
ビーストと、アナザーウィザード。二人の指輪の魔法使いが、同時にキックストライクを放とうとしていた。
「これって……」
部屋の入口で、ハルトは言葉を失っていた。
魔力を失ったハルトでも分かる、膨大なエネルギーに、ハルトの肌はピリピリと逆立っていた。
もう一歩、中に入る。すると、その足元が何かに当たった。
ビーストの主力武器、ダイスサーベルを拾い上げ、部屋の中央に走る。
同時に、二人の魔法使いが跳び上がった。
それぞれが魔法陣を通過し、蹴りを放つ体制になる。
魔力のない今の自分にできること。ハルトは、即決した。
「コウスケ!」
ハルトは、ダイスサーベルを持ち替え、アナザーウィザードへ投げつける。
二人のキックストライクが衝突し合う寸前で、ダイスサーベルの刃先はアナザーウィザードの右足に命中した。
彼女の再高威力を誇るキックストライク。それを防ぐには、到底足りないダイスサーベルの投影。
そして、赤と黄のキックストライクが、空中で激突した。
巨大な爆発となり、ハルトは思わずしゃがみこむ。
上空の爆炎より、落ちてきたものと、降りてきたもの。
「! コウスケ!」
ハルトは、落ちてきたもの、コウスケを助け起こす。
「おい、大丈夫か?」
ボロボロの姿の彼は、腹を抑えていた。
「ハルト……悪い……随分やられちまった……」
「いや、気にするな」
ハルトはコウスケに肩を貸す。そして、爆炎から降りたもの、アナザーウィザードと向き合った。
変身解除したビーストとは真逆に、アナザーウィザードは無傷のようだった。傷一つない澄ました顔で、こちらににじり寄る。
「残念でした。この聖杯戦争は、私と
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