全ての真実〜
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は予め計画を話していたらしい。だからこそ、このチャンスを利用した。ラフコフにDDAの幹部がいると情報を流せば、きっと食らい付く。
「・・・グリムロックが何でそんなことをしたかは分からない・・・」
「だから、本人に聞こう」
その言葉には俺も驚いた。すると・・・更に人影が二人やって来た。
「アスナ!?」
「サキ!・・・よかった。無事だったんだね」
「あ、うん・・・ごめん」
取りあえず目についたのはもう一人。長身の男性だ。革製の服に唾の広い帽子、更に眼鏡とよく人相が分からない。
「やあ・・・久しぶりだね、皆」
「グリムロック・・・さん。あなたは・・・あなたは本当に・・・」
ヨルコさんが聞くが・・・
「・・・誤解だ。私はただ、事の顛末を見届ける責任があろうと思ってこの場所に向かっていただけだよ。そこのお姉さんの脅迫に従ったのも、誤解を正したかったからだ」
・・・ここで否定するか。するとアスナが鋭く反駁した。
「嘘だわ!あなた、ブッシュの中で隠蔽してたじゃない。わたしに看破されなければ動く気もなかったはずよ!」
「仕方がないでしょう。私はしがない鍛冶屋だよ。このとおり丸腰なのに、あの恐ろしいオレンジたちの前に飛び出していけなかったからと言って責められねばならないのかな?」
・・・なるほどね。まあ筋は通ってるな。俺はキリトに目配せする。
「・・・初めましてだな、グリムロック。俺はサキ、こっちはキリト。・・・確かに百歩譲ってそれを信じても・・・指輪事件には必ずあんたが関わる・・・いや主導した筈だ」
「・・・何故かな?」
それにキリトが答える。
「何故ならグリセルダさんを殺したのが誰であれ、指輪は彼女とストレージを共有していたあんたの手元に絶対に残ったはずだからだ。それを明らかにせず、指輪を換金してシュミットに半額を渡した。・・・これは犯人にしか取り得ない行動だ」
「それなのにアンタは圏内事件に関わった。つまり目的は・・・過去を闇に葬ることにしかならない。違うか?」
「なるほど、面白い推理だね、探偵君。・・・でも、残念ながら、一つだけ穴がある」
「なに?」
「確かに、当時私とグリセルダのストレージは共有化されていた。だから、彼女が殺された時、ストレージに存在していたアイテムは私の手元に残った・・・という推理は正しい。しかし」
鋭い視線をこちらに向け、グリムロックは続ける。
「もしあの指輪がストレージに格納されていなかったとしたら?つまり、オブジェクト化され、グリセルダの指に装備されていたとしたら・・・」
「あっ・・・」
アスナが声を漏らす。
「・・・くっ」
俺も同じだ。穴に気づいてはいたが・・・
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