暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
全ての真実〜
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・・・俺とキリトは道に降り、宿屋に戻る。・・・そして宿屋の前に落ちている漆黒のスローイングダガーを拾う。

「・・・本当に・・・死んだのか・・・」

「ああ・・・俺は見ていた。目の前で、ヨルコさんは・・・」

「・・・」

部屋に戻ると、レイピアを握っていたアスナは息を吐いて鞘に収める。・・・直後に。

「ばかっ、二人とも無茶しないでよ!」

アスナは続けて聞いてくる。

「・・・それで・・・どうなったの?」

顔を逸らした俺に代わってキリトが告げる。

「だめだ、テレポートで逃げられた。顔も声も、男か女も分からなかった」

・・・グリムロックさんだったら男だろう。SAOでは同性婚は不可能だが・・・確証はない。

「・・・違う」

シュミットが震えながら呟いた。

「違うんだ。あれは・・・屋根の上にいた黒ローブは、グリムロックじゃない。グリムはもっと背が高かった。それに・・・それに」

そのまま続けられた言葉には息を呑まざるを得なかった。

「あのフードつきローブは、GAのリーダーのものだ。彼女は、街に行くときはいつもあんな地味な格好をしていた。そうだ・・・指輪を売りに行く時だって、あれを着ていたんだ!あれは・・・さっきのあれは彼女だ。俺達全員に復讐に来たんだ。あれはリーダーの幽霊だ」

そのまま狂ったように笑いだす。

「幽霊ならなんでもアリだ。圏内でPKするくらい楽勝だよな。いっそリーダーにSAOのラスボスを倒してもらえばいいんだ。最初からHPが無きゃもう死なないんだから」

そのまま笑い続けるシュミットの胸ぐらを掴む。そして眼前に先程のダガーを突きつける。

「ひっ・・・」

「少し黙れ・・・幽霊は武器なんざつかわねーんだよ・・・この武器はほんの数行のプログラムコードで書き込まれたただのデータだ。あんたがかっぱらった槍と同じでな」

『咲・・・』

「それに幽霊が出るなら、今までに死んだプレイヤーはどうなる?俺は今までこの世界で幽霊に出会ったことはない。あり得ないんだよ・・・!いいか!お前が言っているのは・・・」

「サキ!・・・少し落ち着けよ」

「そうよ・・・何か変よ、サキ」

「・・・ごめん」

俺は胸ぐらから手を離し、部屋から出る。

「今日はもう帰るよ。・・・本当にごめん」

「サキ・・・一人じゃ危ないから・・・」

「大丈夫、一人じゃ・・・ないから」


俺は外に出る。

『どうしたのよ、さっき・・・』

「・・・色々、思い出しちゃってな・・・」

『何をッスか・・・?』

「詠と恋が居なくなった時・・・幽霊でも何でもいいからもう一度声が聞きたい・・・なんてバカなこと考えてな」

『・・・』


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