ちいさなしまのおはなし
夜の静寂に
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lake、かな?」
「えっ、大輔くん英語喋れるの?」
凄い!って賢は目をキラキラさせながら大輔を見やる。
クワガーモンに追っかけられていた時と、撃退した際にも披露していたのだが、賢はそれどころではなかったようで、実質今が初めてだったのだ。
照れる大輔と、すごいすごいって褒める賢とヒカリ、そしてそのパートナー達を微笑ましく思いながら、空は口を開いく。
「でもここなら、キャンプするのに丁度よさそうね」
「えー?でもキャンプってことは、野宿ってことですよね?」
「ま、そうなるな」
「うっそぉ……」
夕日を反射した湖がオレンジや赤やピンクに染まっている。
目の前に広がる幻想的な風景をぶち壊すように、ベルの音が鳴った。
そちらに目を向ければ、まるで太一達を待っていたかのように電気が点いた路面電車が、湖の小島に鎮座していた。
何で?って言う疑問が浮かんでくるけれど、その前に誰かいるかもしれない、という期待が心に灯り、子ども達は走った。
小島と湖畔を繋ぐ石畳の橋を渡り、路面電車のドアを開けて中に飛び込んでみたものの、案の定中には誰もいない。
子ども達の期待は、またも打ち砕かれることとなった。
だがいいこともある。光子郎と治が軽く調べてみたところ、まだ新しく座席のクッションも利いている。
1車両分しかないが、子ども達が全員横になっても余裕はありそうだった。
ならば決定である。
「今日はここで寝ましょうか」
『さんせー!』
持ってきた荷物をとりあえず電車の中に置いて、それからまず役に立ちそうな物を取り出す。
魚が獲れるとのことなので、ミミのキャンプ道具から釣り竿を取り出し、子ども達は一度外に出た。
役割を決める。海洋生物であるゴマモンは、必然的に魚獲りに回され、それに光子郎と賢が立候補した。
魚釣りなんてしたことなかったけれど、やりたくないって拒否したって別の面倒な役割が待っているのである。
だったらさっさと役割を貰った方がいい。ミミから釣り竿を受け取った光子郎と賢は、湖畔に移動して釣りを開始した。
途中でゴマモンが泳ぐことに夢中になってしまい、釣り竿近くで顔を出したために光子郎に怒られるという場面があったが、完全な余談である。
丈と空は薪を探しに行く。ミミはパルモンに連れられて、食べられる植物を探しに行った。
植物のような見た目をしているだけあり、どれが安全でどれが危険なのかすぐに教えてくれる。
パルモンがいてくれてよかった、ってミミが素直にお礼を言うと、パルモンは嬉しそうに胸を張った。
丈と空が拾ってきた薪を、太一と治が円に並べた手頃な石の真ん中にバサッと置いた。
あとは火を起こすだけであるが、ミミが持ってきた固形燃料があっても火種がなければ点けられない。
さてどうしたものか、と悩んでいる3
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