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白い癒し猫
第二章
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「こうした時こそね」
「頑張らないとね」
「それに悪い会社じゃないでしょ」
「ええ、ちゃんと労働時間は守ってるし」
 労働基準法に従ってだ。
「残業してもね」
「残業手当出るでしょ」
「パワハラもないわ。組合もしっかりしてるし」
「だったらね」
「ここは踏ん張りどころね」
「とんでもないところならすぐに辞めた方がいいけれど」
 所謂ブラック企業ならというのだ。
「そうでないならね」
「今はお仕事に慣れていないだけだから」
「ここは堪えてね」 
 そうしてというのだ。
「頑張っていきましょう」
「そうするわね」
「お母さんもお父さんも応援するし」 
 母は娘にこうも言った。
「ホワイトもね」
「そうね、皆いるから」
「しっかり寝て食べてもして」
 そしてというのだ。
「頑張っていってね」
「そうするわね」
「ニャア〜〜」
 ここでだ、そのホワイトがだった。
 美咲のところに来て喉をゴロゴロと鳴らして身体を摺り寄せてきた、すると美咲は自然と笑顔になってだった。
 ホワイトの頭を撫でた、そうして母に言った。
「ホワイトと一緒にいたら」
「癒されるでしょ」
「ええ、お父さんとお母さんがいてね」
 そうしてというのだ。
「この子もいるから」
「頑張れるわね」
「絶対にね」
 気を取り直した顔で応えた、そしてだった。
 美咲は母の言う通り仕事に慣れる様に頑張った、職場ではそうして家に帰るとまずはホワイトと遊んだ。
 ホワイトの名前を呼ぶと今も尻尾を上下にぱたんと動かした、その仕草が面白くてつい名前を何度も呼び。
 おもちゃで遊んだりブラッシングをしたりした、そうして仕事の疲れを癒していった。そうして半年が過ぎた頃には。
 美咲は仕事に完全に慣れていた、それで家で両親にも言った。
「もうね」
「すっかりだな」
「お仕事にも慣れたわね」
「ええ」
 こう両親に答えた、まだ四十代前半の二人に。
「そうなったわ、最初は大変でね」
「お前参っていたからな」
「明らかにね」
 髪の毛が白くなってきている父も少し皺が出て来た母も応えた。
「それがね」
「慣れてな」
「元気になってきたわね」
「慣れてみるとね」
 これがというのだ。
「いい職場だし」
「頑張れるな」
「これからも」
「そうみたい、だからね」
 それでというのだ。
「これからもやっていくわ」
「そうしなさいね」
 母は娘に笑顔で応えた。
「何でも最初は大変だしね」
「そうよね」
「その最初を乗り越えたらね」
 それが出来ればというのだ。
「楽になるから」
「だからよね」
「美咲は頑張ってよかったと思うわ」
「私もそう思うわ」
「そうよね」
「ええ、頑張れたのはね」
 美咲はこ
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