第13話 帝国領侵攻
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はすでに最高評議会によって決定されている。先ず部隊編成を後方主任参謀を勤めるキャゼルヌ少将から説明して貰おう」
「はっ、先ず総司令官は宇宙艦隊司令長官であるラザール・ロボス元帥閣下が勤められます。総参謀長グリーンヒル大将、作戦参謀コーネフ中将以下5名、情報参謀ビロライネン少将以下3名。後方参謀は4名。実戦部隊としてルフェーブル中将の第三艦隊、ビュコック中将の第五艦隊、ホーウッド中将の第七艦隊、アップルトン中将の第八艦隊、アル・サレム中将の第九艦隊、ウランフ中将の第十艦隊、ボロディン中将の第十二艦隊、そしてヤン中将の第十三艦隊と、合わせて8個艦隊を投入します。その他を含めた総動員数3022万7400名」
会場の彼方此方から『おお〜』と感嘆の声が上がる。
「この遠征軍の具体的な行動計画はまだ立案されていない。本日の会議はそれを決定する為のものだ、諸君の活発な提案と討論を希望する」
「本部長閣下、作戦参謀フォーク准将であります。今回の遠征は我が同盟開闢以来のそうきょであると信じます。幕僚として、それに参加させて頂けるとは武人の名誉。これに過ぎたるはありません」
提案でも討論でも無い自分の想いを語るフォーク准将。
周囲の所々から白けた視線が飛ぶが、彼は気にしない――気づかない。
次いで、第十艦隊司令官のウランフ中将が発言する。
「総司令官にお尋ねしたい。我々は軍人であるからには、行けと命令があれば何処へでも行く。まして、ゴールデンバウム王朝の本拠地を突くというのであれば尚更だ。しかしそれには周到な準備が欠かせない。先ずこの遠征の戦略上の目的をお聞かせ願いたい」
「作戦参謀、説明を」
「はっ、んん。大軍をもって帝国領土の奥深く侵攻する。それだけで帝国の人間共の心胆を寒からせしめることができましょう」
「では、侵攻するだけで戦わずに引くというわけか?」
「そうではありません。高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います」
「もう少し具体的に言ってくれ。あまりにも抽象的すぎる」
「要するに、行き当たりバッタリということではないのかな」
提督たちの中で、最年長である第五艦隊司令官アレクサンドル・ビュコック中将が皮肉を利かせる。
「他に何か?」
「いいですか?」
「ヤン中将、どうぞ」
「帝国領内に侵攻する時期を現時点に定めた理由を聞きたいのだが」
「選挙が近い為ではないかな?」
ビュコックが軽口を挟み、周りから笑いが漏れる。
「戦いには機というものがあります。それを逃しては結局運命そのものに逆らうことになります」
「つまり、現在こそが帝国に対して攻勢に出る機会だと言いたいわけだ」
「攻勢ではありません、大攻勢です!
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