第8章:拓かれる可能性
第254話「撃退」
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さんの“意志”と、那美さんの治癒が要です!今、世界の法則が歪んでいるからこそ出来る、理の隙を突いた術式ですから……」
「だからこそ、神界の存在にも効く……!」
理を捻じ曲げ、その歪さから繰り出される霊術。
世界の法則や、そういった理に関する攻撃だからこそ、“領域”に効果的だった。
「久遠!」
「うん……!」
久遠に纏わりつく瘴気を那美が引き剥がし、次弾の準備が完了する。
そして、再び雷が放たれる。
―――“歪式・瘴雷鳴動”
瘴気を含んだ雷が再び複数の“天使”を貫き、撃墜させた。
「こんな……こんな事、が……!?」
神の一人がそんな事を言いながら消滅エネルギーに呑まれ、“領域”が砕けた。
神々へ対する反撃は留まる事を知らず、一人また一人と倒していく。
……気が付けば、最早数すら優輝達を下回っていた。
「これで、最後だ」
最後の一人を、優輝が切り裂く。
残ったのは、荒れ果てた大地と戦闘で疲弊したクロノ達だ。
倒した神々は肉体を残さず消え去っていた。
「……今更なんだけど、倒した神ってどうなるの?見た感じだと消滅してるけど……」
それを見て、司はふと気になって呟く。
「“領域”の砕けた神は肉体として構成している理力が解け、神界にある大元となる領域……根源とも言える場所に戻る。だから、倒した場所から復活……なんて事には原則としてならない。まぁ、復活して転移してくる場合もあるけどな」
答えたのは優輝だ。
神界で生まれた神は、その生まれた場所がゲームで言う所謂リスポーン地点になる。
“領域”を砕かれると強制的にその場所へ戻され、回復に専念させられるのだ。
「例外として存在するのは……」
「神界以外の存在が、神界の神に成り上がった場合ですね。……私のように」
「え……!?」
祈梨が優輝の言葉に続くように口を挟む。
司はそんな祈梨が言った事実に驚愕していた。
「一旦、情報整理といこうか。例え記憶などを読み取れても、言葉を交わす事で整理出来るからな。……アースラは落とされたから、簡単な拠点を創ろうか。優奈!」
「はいはい。私も貴方と違って人間のままだから、疲れてるのだけどね……」
そう言いつつも、優奈は優輝と共に創造魔法を駆使して簡単な拠点を創る。
アースラにいた者も全員入れる程の、簡易的な施設だ。
理力を使う事で、建物のようなある程度複雑な構造の物も簡単に創造が出来るようになっていた。
「イリスは撤退した。残った神も先程一掃した。……なら、しばらくは休めるはずだ。何度も限界を超えたなら疲れているはずだ。だから、一度休んでくれ」
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