第8章:拓かれる可能性
第254話「撃退」
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決まっているでしょう」
“領域”が砕け、倒れる“天使”。
それを見送る事もなく、ミエラは次の敵へと向かう。
そう。これは敵どころかクロノ達も分かっていないが事だったが、同士討ちが当たらない理由は優輝達の“性質”によるものだった。
「(“可能性”が拓かれたからか……主だけでなく、他の者も一皮むけましたね)」
ミエラが視線を向けたのは、地上。……そこにある、巨大な魔法陣。
その魔法陣を操作するのは、はやてとディアーチェ、アインスにリインだ。
「なのはちゃんが集束した魔力を、再び集める」
「その魔力を足掛かりに、より強力な魔法を呼び起こす!」
魔法陣が鳴動し、余波として雷が鳴り響く。
周辺の魔力だけでなく、霊力すらも魔法陣に吸収されていく。
「さぁ、災厄の鍵を開け!」
「全てを滅ぼす力を以って、敵を滅せよ!!」
―――“鍵開く、災厄の章”
凝縮された魔力が解き放たれる。
炎のようなプラスのエネルギーでも、氷のようなマイナスのエネルギーでもない。
ただ消滅させるだけのエネルギーが、柱となって敵のみを捉える。
「っ……!!」
その威力は凄まじい……が、その分魔力の消費も大きい。
限界を超えてなお魔力を注ぐが、それでも足りなくなる。
「受け取って!」
そこへ、司が手助けする。
ジュエルシードを含めた膨大な魔力を魔法陣に注ぎ、術式を維持する。
「させ―――」
「いいや、もう終わりだ」
阻止しようと、神や“天使”達が動くが、一歩遅い。
優輝や優奈達が即座に動きを阻害し、逃がさない。
はやて達の魔法に貫かれるか、優輝達に倒されるかの二択だ。
「ッ……!」
ならばと、今度は一部の“天使”が逃げ出す。
洗脳されていようと、生存本能のようなものが働いたのだろう。
「がぁっ!?」
だが、その“天使”は瘴気を纏った雷に貫かれ、墜落した。
「今のは霊術……久遠達ね!」
椿が霊力の質から久遠達の仕業だと見抜き、霊術の出所に目を向けた。
その視線の先には、久遠を中心とした大きな術式が地面に描かれていた。
鈴や葉月、那美が協力して霊術を編んでいたのだ。
「久遠!大丈夫……!?」
「っ……大丈夫……!」
雷を放ったのは久遠だ。
しかし、その雷は強力なだけでなく瘴気も含まれており、久遠に負担がかかる。
普段ならば絶対に使わない諸刃の剣のような霊術だ。
「理を捻じ曲げる術式で威力を増強し、理を捻じ曲げた代償で生じる瘴気をも、その一撃に加える……本来なら、久遠を使い捨てにするような術よ……!」
「久遠
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