暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第254話「撃退」
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の力が、負けるはずない」

「……お前も、良い“可能性”を拓いたんだな」

 そして、優奈と帝もついてきていた。
 どちらも、神界からたった二人で生還してきたのだ。
 その力は直接知らない優輝にとっても申し分ない。

「……よし、なら、さっさと連中には退場してもらおうか!」

「今更数を揃えても、私達はそれを乗り越える!」

「別の世界に乗り込んできておきながら、勝手出来ると思うなよ!」

「ここは、私達の“領域”よ!!」

 たったの四人と、無数の軍勢がぶつかり合う。
 否、傍から見れば四人が軍勢に呑まれたと見るべきだろう。
 だが、すぐに四人の周囲にいた“天使”が吹き飛ぶ。

「ぉおおおおっ!!」

「はぁあああっ!!」

 緋雪と帝が力で“天使”を殴り飛ばす。

「シッ!」

 優奈が創造魔法で剣を創り、的確に貫いて怯ませる。

「はぁっ!!」

 そして、優輝が理力の刃を鞭のようにしならせ、まとめて切り裂いた。







「大いに暴れてるわね……」

「向こうも“性質”とかで、優位に立てるはずなんだけどね……」

 一方、椿と葵は矢や霊術などを用いて攻撃を迎撃しつつ、優輝達の様子を見ていた。

「おそらく、イリスの影響かと」

 そんな二人に、祈梨が話しかける。

「……消えた方ね」

「はい。あの時、イリスの“闇”を打ち消しただけでなく、“領域”の侵蝕も打ち消しました。同時に、この世界の“領域”が強化されたため……」

「向こうの“性質”も発揮しづらくなっている、って訳ね」

「その通りです」

 自身の領域で戦えない。それが原因で、敵は優輝達に無双されていた。
 言わば、剣道が強い人が薙刀が強い人に薙刀で挑むようなものだ。
 世界そのものの“領域”が強い今、敵は相手の得意分野で戦わされているのだ。
 状況が有利になれば、如何に神界の神であろうと、勝つのは難しくない。

「司さん」

「ッ……!」

 祈梨が司に呼びかける。
 直後、二人から極光が放たれ、敵の攻撃を打ち消しながら薙ぎ払った。
 だが、それでも優輝達を抜けて“天使”達は迫ってくる。

「ッッ!!」

 そうなれば、迎撃態勢を取っていた優香や光輝達の出番だ。
 普段なら止められない程重い攻撃を、“意志”のみで耐え、弾く。
 すかさず、手が空いている者が反撃し、敵を弾き飛ばした。

「ぅ、ぉおおっ!!」

 転生特典を失ったため、一番弱くなっているはずの神夜も踏ん張っていた。
 魔力を身体強化のみに回し、“意志”と共に振るわれた理力の剣を受け止める。
 だが、やはり攻撃手段に欠けるためか、そこから一歩先に踏み出せない。


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