暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第254話「撃退」
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ていた。

「はぁあああああっ!!」

 それが顕著に出ていたのは、緋雪だ。
 生物兵器としての力を完全に開放し、迫りくる“天使”を次々と返り討ちにする。
 単純な力でも押し勝っているからか、さながら無双しているかのようだ。

「司、慌てずやりなさい」

「当然……!」

 椿と葵が護衛し、司が後方から極光を放ち、敵を薙ぎ払う。
 緋雪の前方の敵も一掃したため、一瞬緋雪の手が空く。

「薙ぎ払え、焔閃!!」

   ―――“L?vateinn(レーヴァテイン)

 炎の剣が敵を薙ぎ払う。
 その威力は、以前よりも数段上がっており、敵の反撃を相殺する。

「……捉えた」

   ―――“連鎖破綻、破壊の瞳(ツェアシュテールング・ケッテ)

 直後、緋雪の周囲にいくつもの“瞳”が浮かび、即座に魔力の棘で貫かれる。

「が、はっ……!?」

 その“瞳”の対象となった神や“天使”が、まとめて爆発する。
 ダメージも大きかったのか、大きく体勢を崩していた。

「そう簡単には」

「負けない……!」

 それでも、相手の数は多い。既に包囲は完了してしまっていた。
 “破壊の瞳”を使った緋雪の背後から、数人の“天使”が襲い掛かる。
 だが、それを奏となのはが阻む。

「お父さん!」

「シッ……!」

 そして、なのはの父親である士郎も無力ではない。
 桃子を追いかけるために持ってきていた小太刀を叩き込む。

「これ以上は、進ませないぞ」

 その背後には、イリスと分離してからまだ目を覚まさない桃子が横たわっていた。
 “守るための御神の力”という在り方が、“領域”や“意志”の力として、正しく守るための力となる。

「優輝!守りは私達に任せなさい!」

「数を減らすのは任せたよ!」

 葵が受け流し、椿が攻撃を迎撃する。
 同時に、敵陣を駆け抜けながら戦う優輝にそう叫んだ。

「元から、そのつもりだ……!」

 幽世から現世を守るため召喚された式姫である椿と奏。
 道を切り拓き、人を導くための王だった優輝。
 となれば、役割分担で攻撃と防御のどちらに就くのかは明らかだ。

「行って!」

 極光が再び敵陣を薙ぎ払う。司と祈梨によるものだ。
 二つの極光が敵陣に穴を開け、優輝はそこに突っ込む。

「ついて行くよ、お兄ちゃん」

「緋雪……ああ、行こうか……!」

 それに続く者がいた。
 まずは緋雪。一時的に導王流の極致すら凌いだ力を持つ。
 攻撃担当になるのもおかしくはない。

「あら、貴方の半身である私を忘れないでほしいわね」

「優奈……それに、帝もか?」

「まだ単純な戦闘なら出来るからな。こ
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